鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「もう年はとれない」

・もう年はとれない
著者:ダニエル・フリードマン 訳:野口百合子
出版:創元推理文庫(Kindle版)

もう年はとれない (創元推理文庫)

もう年はとれない (創元推理文庫)



昔、「オールド・ディック」という老人探偵を主人公にしたハードボイルド小説がありましたが(あとがきでも触れられています)、本作の主人公は「87歳」(作中で88歳になるw)。
まあ最長老ハードボイルド探偵でしょうね。
身体は(年にしては健康だけど)ガタが来ていて、認知症への不安も覚えている。知識も古びていて、インターネットの世界には全く対応出来ていない。
現役時代(元/殺人課刑事)にはタフガイぶりで有名だったけど、当然肉体的なマッチョぶりを披露するわけにはいかず・・・
なんですが、減らず口と精神的なタフガイぶりでシッカリ「ハードボイルド」を見せてくれます。
勿論「ユーモア・ハードボイルド小説」なんですが、結構「グッ」と来るところありますよ、これ。久々に「ハードボイルド小説」を楽しませてもらいました。


まあ「老い」が一つのテーマでもありますからね。
50目前で、そういうのに惹かれるってのもあるのかもしれません。
作者は若いようですが、主人公は97歳でなくなった祖父をモデルにしてるようで、それだけにリアルさがあります。主人公とバディを組むのは孫なんですが、作者同様、主人公の息子/孫の父親は若くして亡くなっており(作品では死亡の経緯は明らかではないのですが)、ここら辺の機微が本書の読みどころの一つにもなっています。
「父と子」。
コレも最近「弱い」テーマですからねぇ。


ラストまで読むと、
「さすがにこの先は・・・」
と思ったんですが、何と「続編」が既に発表されているとか。
これは是非読んでみたいです。


映画化もされるようですが、主人公は誰かな?
作中で言及が多いのは、「クリント・イーストウッド」。
しかしそれはやりすぎでしょうw。
ちょっと見てみたいけどなぁ。