・マスカレード・イブ
著者：東野圭吾
出版：集英社文庫
「マスカレード・ホテル」の前日譚となる連作短編集。
ホテルを舞台とした潜入作戦（というほど派手なものではなかったけど）で連携したフロントクラークと刑事が再登場します。
と言っても、「マスカレード・ホテル」で二人ははじめて顔を合わせることになるので、本作では出会うシーンはないんですけどね。
それを踏まえて、「マスカレード・ホテル」に直接的に繋がる中編である「マスカレード・イブ」は、「顔は合わせないんだけど、連携して事件の真相に迫る」という仕掛けとなっています。
まあ上手いですよ、こういうのは。ミステリーとして傑出してるとは思いませんが。
「前日譚」とは言え、こうやってキャラクターを再登場させたってことは、シリーズ化するんでしょうかね。
正直言うと、それほど魅力的なキャラだとは思えないんだけど、
「仮面」
というテーマがミステリーとして興味深いのは確かです。
そこら辺を深めて行くつもりなのかも。この作者なら何となくありそうです。
とは言え、二作目が「文庫」スタートってのはチョット微妙かもしれませんw。
もっともこちらとしても、
「文庫なら続きを買っても良いけど、単行本だと敬遠（文庫待ち）かな」
って感じだから、戦略としては意外に良いところを突いてるとも言えますか。
娘のスイミングスクールの見学中に読んでたんですが、そういう片手間に読むのには、実に相応しい作品です。
（褒め言葉じゃないかw）
