鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「オタクの息子に悩んでます」

・オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より
著者:岡田斗司夫FREEex
出版:幻冬舎新書



東京にいた時は日経と朝日の全国紙二紙を購読してたんだけど、思うところあって、金沢に来てからは日経だけを購読している。
結果的にはそれで殆ど不自由はないんだけど、生活情報や文化情報の新聞ルートからの入手量が減ったのは、ちょっと寂しく思ってる(大半はネット情報が埋めてくれるけど)。
その一つが、土曜版の掲載されてた人生相談「悩みのるつぼ」が読めなくなったこと。
夫婦揃って好きだったんだよねぇ、これ。
特に岡田斗司夫の回答は、「芸」になっていながら、具体的ツボをついてる回答が多く、ホント楽しみだった。



本書はその岡田版「悩みのるつぼ」をまとめた作品…ということで飛びついたんだけど…。
ちょっと思ってたのとは違ってたかなぁ。
良い意味で、一歩踏み込んだ内容の作品だった。
個人的に実に考えさせられるとともに、反省もさせられたよ。
これはナカナカです。



勿論、「悩みのるつぼ」の質問/回答も多く掲載されている。
見落としてたものも含め、やっぱり岡田氏の回答には感心させられるものが多い。
これだけで読む価値はあるだろう。



でも本書のポイントは実はそこじゃないんだよね。
「悩みのるつぼ」を題材として、どう言ったスタンスと考え方で、どのようなスキルを使って岡田氏は回答を導き出したのか?
具体的に回答を導く過程を描きながら、ある種のスタンス(それは別の意味では「覚悟」を意味している)やスキルを具体的に整理して描く。
本書の読みどころはココだ。
そこから浮かび上がる岡田氏の立ち位置には、ある種の感動すらあった。



特に「同じ温度のお風呂に入る」とか「愛が必要」とか言った、スキルと少しズレたところにある、相談を受けた自身の「構え」みたいなところがイイね。
それだけだと単なる「オヤジの精神論」なんだけどw、スキルのところが具体的かつ論理的なだけに、この「精神論」が際立つのよ。
僕自身が点かれたような想いを覚えたのも、正にココだった。



まあ完成度の高い相談コーナーだから、それを読むだけでも、もちろん得るものはある。
岡田氏のマザコン宣言もさりげなくあったりしてw、それはそれで読みどころかもしれんけどね。
若干新書にしては分厚いけど、それを感じさせない出来ですワ。



うーん、土曜版だけでも朝日、買うかなぁ。
それとも(相談/回答が毎回掲載されるという「クラウドシティ」に入るべきか?
現在、マジで思案中です。