鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

割とバランス取れてるんじゃないでしょうか?:読書録「AI失業 生成AIは私たちの仕事をどう奪うのか?」

・AI失業 生成AIは私たちの仕事をどう奪うのか?
著者:井上智洋 ナレーター:デジタルボイス
出版:SB新書(audible版)

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外に出ている間に、手元の本もなくなって、オーディオブックもちょうど聞き終えてしまったので、目についたこの作品をダウンロード。
生成AIについてはもういいかなぁと何度も思ってるんですけどねw。
まぁ出先で聞くのにはちょっといいかなぁと思いまして。


第1章 生成AIは仕事のあり方をどう変えるのか?
第2章 人工知能は私たちの仕事を奪うのか?
第3章 人工知能が引き起こす新たな産業革命
第4章 人工知能は日本経済をどう変えるか?
第5章 人工知能と人間は共生可能か?

 

思ってたよりもすごく良い本でした。
聞き終えて思い出したんですが、僕は井上さんの著作を読んだことありますね。
結構興味深く読んだ記憶が薄っすらと…w。
作者の井上さんは経済学者でそういう観点で本書を書いているんですが、日常的に生成AIもよく活用しており、その利用に関してはポジティブに考えている人なので、そういう意味ではAI活用をどういう風に経済的に考えていくかと言う点ですごく参考になる本ではありました。
まぁ最新情報のアップデートは仕切れていませんが(作品は23年のものですのでGPT4oは対応していません)、全体的にはちょうど良いバランスの作品なんじゃないかと思います。

 

井上さんは「AI失業」が起きると言う立場です。
よく言われるような職業がなくなると言う観点ではなくて、AIを使うことによって生産性が交渉することによって、まぁ例えば3人でやっていた仕事が1人ですむようになる。こういう形で労働者数が少なくなり、失業が発生し得ると言うスタンスで書かれています。
これは全く納得感があることで、もちろんそれをカバーするような労働力の移転とか新産業の発生があれば、最終的には失業はフォローされていくことになるんですけど、そこにはタイムラグがありますし、そういうふうにうまくいくかどうかもわからないというのが井上さんのスタンスだと思います。

 

その後どういう風に社会が変わっていくか、スマート社会の方向に行くのかそれともメタバースのほうに行くのかとか、ベーシックインカムの考え方とかここら辺はまぁ議題としてなかなか面白いですね。
ただしまぁそれがどうなるかに関して答えがないし、作者もその事は十分にわかった上で意見を述べられておられます。
そう言う風に未来はなるんだって言うより、そういう考え方がある、そういう見方もあるっていうのを知識に入れていくのにはちょうどいいんじゃないでしょうか?

そういう意味で本書全体は今現在生成AIがこれだけ使えるようになって、一体どういう風に今後の社会が経済的な側面で変わっていくかと言う点を考える上において、バランスの取れた1冊になってると思います。

 

 

AppleのWWDCがあって、Appleがどういう風にAIを使っていくかと言うことが見えてきました。
これでオープンAIにスタートして、MicrosoftやGoogleそしてAppleの生成AIに対するスタンスそれの使い方みたいなものが見えてくるようになりました。
まぁ個人的には、労働力の生産性を上げていくのに、どこまで活用できるかって言う点については「まだまだこれから」なんじゃないかなぁとは思いますね。
ただまぁそういう日がやってくると言うのは確かだろうとも思います。
その時に向けて本書で語れている論点に備えていくって言うのは重要なことのように思います。

 

僕個人としては当面は良い話し相手ができれば良いなぁ位なんですけど。