鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「ハルシネーションがね〜」とか言って思考停止になっても仕方ない:読書録「生成AIで世界はこう変わる」

・生成AIで世界はこう変わる
著者:今井翔太
出版:SB新書(Kindle版)

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ChatGPTとかの生成AIに関しては、とにかく機能向上・追加の速度が早くて、出版物で情報をフォローするのは難しいんですが(作者も指摘しています)、とりあえずこの段階での頭の整理を個人的にしておいた方がいいかなと思って、手に取った作品。


著者は94年生まれですから、30歳前?
東大の松尾研究室に所属されてるようです。
でも多分こう言う人のほうが的確に生成AIの現状を把握できてると思うんですよね。
それくらい情報のアップデートが激しく早い。


<本書で強調したいもう1つの視点があります。技術的なツールとしてだけでなく、この世界に初めて誕生した(または、するかもしれない)人間と同等以上の「知的存在」として、生成 A Iを考えるというものです。その発展の速度を考えると、現代を生きる私たちは、歴史上で初めて人間より賢い存在を目撃する可能性があります。それが最終的に「生成 A I」と呼ばれているかどうかはわかりませんが、少なくとも今の生成 A I技術がベースになることは間違いありません。>


まあ、僕は著者より30歳年上なので、「人間より賢い存在」を生きてる間に目撃できないかもしれませんがw、そう言うタイミングの時代に立っている…と言うことです。
「そんなバカな…」
と思う人は将棋や囲碁の現状を考えてみるといい。
あの頃以上にAIを巡る状況はスピードアップしてますからね。


第1章 「生成AI革命」と言う歴史の転換点
第2章 生成AIの背後にある技術
第3章 AIによって消える仕事・残る仕事
第4章 AIが問い直す「創作」の価値
第5章 生成AIとともに歩む人類の未来
特別対談 松尾豊×今井翔太


個人的には第2章はちょっと理解が…w。
でもここを漠然とでも抑えておくのが必要ではあるでしょうね。


第3章はまあ、「言ってもしょうがない」って話ではあるw。
基本的にはAIを使いながら仕事をしていくようになるんだろうし、それは避けようがない。


<「特別なスキルを必要としない賃金が低い仕事であるほど、コンピュータ/ A Iによる自動化の影響を受ける可能性が高い」>
が、生成AIの登場によって、
<「高学歴で高いスキルを身につけている者が就くような賃金が高い仕事であるほど、コンピュータ/ A Iによる自動化の影響を受ける可能性が高い」>
になってるんですが、現状では「そうだよね」って話でしょう。


「創作」について論じられる第4章はなかなか刺激的。
ここら辺をネガティブじゃなくてポジティブに見ていきたいな〜と言うのが個人的なスタンスではあります。


僕自身の「生成AI」との距離感は以下のような感じです。


①仕事では生成AIは利用しない。
②プライベートではchatGPT有料版とCopilotのアプリを利用。1日にやりとりする量は上限まではいかないが、「会話」しない日はない。
③GPTsGPTsとかには興味があるけど、まだ踏み込めてない。(紹介されたGPTsをちょっと使ってみてるくらい)


…まあ、「緩い利用者」ってとこかな?w


①については会社が制限してると言うのもあるんですが、実際の実務として(個別性が高すぎて)コア業務には使えない…と言うのはあります。
Microsoft365を会社として使っているので、Copilotのソフト連携が進めばメールとか資料作成、データ分析とかには使えるようになるかもしれませんが、そこは「様子見」ですかね。


②については「検索」をしたいときにはGoogleじゃなくて生成AIを使うようになっています。
ハルシネーションが少ないCopilotの方が利用頻度は高いかな?(それでも間違いますすけどねw)
ポイントは「会話」できること。
例えば大河ドラマの「光る君へ」なんかを観た後なんかだと、登場人物や時代背景、源氏物語との関係等々、結構「会話」しています。
「知る」だけじゃなくて、「考える」「楽しむ」「広げる」といったところにまで行くのが楽しいんですよね。
(入力には「音声入力」を使うことが多いです。むちゃくちゃ性能上がってるので、ストレスがないのも「会話的に楽しめる」理由の一つかな。
「発声」もできるんですが、こちらはレスポンスがもう一つなので、入力だけ音声にしています)


「生成AI」を巡る<現状>って、ほんとのトコどんなもんなんでしょうね?
子供たち(大学1年生と高校2年生)は<使ってない>ようです。
存在は知っているし、機能の把握もしてるようですけど。
ビジネスユースは「これから」かな。
Microsoft次第w。
まあ、使ってるところはもう使ってるでしょうから(本書でも紹介されてます)、それなりに進んでいくでしょうが、個人的にはもうちょっと前向きになってもいいんじゃないかなぁと感じてます。


僕個人としては引き続き「楽しませていただきたい」ってところ。
映画「her」みたいなとこまで行くなら、それはそれで楽しそうだな〜と思ってます。
いや、恋愛しようとは思わんけどねw。