鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

黒人であり、女性であること:映画評「ドリーム」

ライムスター宇多丸のシネマハスラー2017年No.1。

ま、その前から評判は聞いてて、「観たい」とは思ってたんですがね。

iTunesレンタルになったんで、大阪との行き来のサンダーバードで、例によって視聴しました。

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「ドリーム」

 

いやもう、いい映画なのは間違いなし。

黒人で、さらに女性である主人公たちは、有能でありながらも差別を受け、正当な評価を受けれません。

前半、その理不尽な展開に苛々とさせられるんですが、彼女たちはシッカリと与えられた仕事をこなしつつ、実力を発揮し、その成果によって周りの評価を変えていきます。

 

主人公の一人が黒人用トイレの件で感情を爆発させるシーンなんかは感動的なんですが、その振る舞いや演出は実に抑制的。

でもその抑えたトーンが彼女たちの「確からしさ」を際立たせます。

裁判所のシーンや、トイレで白人女性管理職と対話するシーンとかもね。

 

キング牧師は偉大だし、公民権運動で闘った人々の努力と成果ももちろん素晴らしい。

でも「黒人」で「女性」である彼女たちが、自分たちの実力と存在意義を、人種と性別という二重の「偏見」を越えて(黒人男性からの偏見に対抗するシーンもあります)、声高に訴えるのではなく、「仕事の成果」で見せつけていくトコロが本作は良いんですよ。

ラストの「その後」のキャプションに、胸が熱くなりました。

 

これは原作が気になるな〜。