「アウト・ロー」をNetflixで観た時に、一緒のおすすめに出てきてた映画がこれ。
新作のようです。
スタンドアップ・コメディアンのビル・バーが主演・初監督の作品。
…いや、「ビル・バー」さん、あんまりよく知りませんがw。
ジャックは51歳。
遅くに子供が産まれ、現在二児目を妻が妊娠している。
子供を幼稚園に通わせつつ、私立の学校に進ませたいと考える妻と協力して、若いパパ友・ママ友たちとなんとかうまくやろうとしている。
友人たちと作った会社を投資ファンドに売り、送り込まれた若いCEOにも翻弄されている。
だが短気なところのあるジャックは色々なところで物議を醸し、若い世代の価値観とぶつかり、苛立ち、自分の居場所を無くしていく…
ポリコレが進むアメリカ社会の行き過ぎた有様を笑いにしながら、古い価値観をなかなか捨てきれず、理解のあった妻にも愛想を尽かされてしまう情けない中年男の姿をビル・バーは描いています。
(一緒に会社を作った友人2人もまた、それぞれが妻、社会との関係に苦戦している姿も描かれます)
まあ、リベラルの行き過ぎた価値観・正義感もどうかとは思う。(流石にレンタカーの中の動画を元に解雇されるってのはギャグだと思いたいけど)
でもじゃあ、ジャックたちが抱えてる価値観が立派なものかと言えば、それもそれほど大したものではない。
それぞれが時代の中でそれなりに成立しているもの。
だから時代に合わせてアジャストいきながら、ほどほどに付き合っていくしかない。
でしょ?
…ってな感じの映画でしょうか?
主人公たちは僕と同世代(ちょっと下)。
笑いながらもなんか身につまされもします。
「包摂」(インクルージョン)と言いながら、細部にまでポリコレを突っ込んできて、結局分断を煽ってるようなリベラルの主張は「暴走」気味だとは思うけど、
じゃあその裏にある社会的な不正義や不具合に対して、自分たちが持ってきた価値観がどこまで対処してきたのか?
それを助長して、そこに乗っかるだけだったんじゃないのか?
新しい価値観・社会観を笑い飛ばすだけじゃ終わらないのは、自分たちに帰ってくる「矢」があるからなんでしょうね。
だから本作の着地点はなかなかいいところに落としてると思います。
なかなか変われない。
でも理解し、合わせ、変われるところは変わる努力もしなきゃね、と。
同世代の男性にはおすすめ。
でも受け取り方も色々でしょうね。
これは。
そんなもんだ…って思えるかどうか、かな?
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