鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

話がデカくなってる:読書録「清明 隠蔽捜査8」

・清明 隠蔽捜査8

著者:今野敏

出版:新潮社

f:id:aso4045:20200118133521j:image


隠蔽捜査シリーズ最新作。

2作目から務めていた「大森署長」から、神奈川県警の「刑事部長」に異動しての「新章」開始、となります。

 


大森署からの異動早々に(当日w)発生した殺人事件を警視庁(伊丹刑事部長)と合同で捜査する…と言うのが基本ストーリー。

警視庁と神奈川県警のライバル意識、キャリアとノンキャリの意識差、警察組織の官僚制…といったシリーズに馴染みの課題に加えて、本作では中国人組織が関係して来て、公安・外交・華僑等との軋轢が描かれることになります。

 


まあここら辺は評価が分かれるかなぁ。

「合理性」を追求する裏にある「正義感」というのが本作の主人公の「竜崎伸也」の特徴であり、作品としての読みどころでもあるんですが、本作については若干「正義感」が表に出て来すぎている感じが僕にはしました。

オチもまあ、「完勝」過ぎる。

妥協したと見えて、実は…ってくらいがシリーズとしてはハマり具合が良いと思うんですが、本作についてはストレートに「竜崎の勝ち」って感じになってます。

それはそれでスッキリしますがね。

 


作品にはそれぞれ一癖ありそうな登場人物が「顔出し」してて、今後のシリーズとしての展開を予感させます。

好きなシリーズですから、「次」があるのは嬉しい。

あんまり待たせずに、読ませていただきたいものです。