鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「神奈川編」の第1章って感じかな?:読書録「隠蔽捜査9 探花」

・隠蔽捜査9  探花

著者:今野敏

出版:新潮社

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神奈川県警の刑事部長に竜崎が転任して2作目になりますが、転任早々の<お目見え>で派手目だった前作の事件に比べ、本作は割と地味な感じ(殺人事件で地味ってのも何ですが)。

米軍との関係、海を考慮した捜査、東京や近県との関係等、「神奈川」を舞台にした事件捜査の特徴みたいなのをさらった(それを竜崎が学ぶという構図)って位置付けでしょうか。

米軍の特別捜査官が捜査に参加したり、入庁試験で同期トップだった赴任してきたり…と、設定には「おっ」と思わせるところがあるんですが、割とサラッと話は進んだりしますw。

そこら辺は、次作以降への「種蒔き」かもしれませんがね。

 


竜崎は相変わらず竜崎。

自分なりの「合理性」と「正義」を貫いていきます。

自分達の思惑で動く人間が、それに振り回されて、最後に「ザマァ」ってのがこのシリーズの読みどころでもあるんですが、だいぶ周りも(読む側も)それが分かってきててw、ちょっと爽快感が少なめ…かな。本作は。

同期トップなんかはハマってくれるんですがw。

 


「現場」に近いところにいて、「現場」の人間の信頼を勝ち取っていく。

 


そういう構図が「神奈川編」でも展開していくようですが、個人的にはもうちょっと「警察官僚」としての<闘い>みたいなものを見せてほしいな〜とも。

1作目にはそういう雰囲気もありましたしね。

「事件を解決していく」ってのも、それはそれで楽しませてはくれるんですけど。

 

 

 

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