鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

安心して「隠蔽捜査」のエッセンスを楽しめます:読書録「審議官 隠蔽捜査9.5」

・審議官 隠蔽捜査9.5

著者:今野敏

出版:新潮社

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大森署長から神奈川県警刑事部長に異動になった「竜崎伸也」の、異動後を描く短編集。

9つもあるので、短編としてもかなり短め。

竜崎視点の作品もありますが、竜崎の家族(妻・娘・息子)視点、竜崎異動後の大森署の署員視点、神奈川県警の署員視点の話が並んでいます。

 


「隠蔽調査」ファンとしてはもちろん長編待望なんですが、「竜崎伸也」というキャラクターの独特の正義感・合理性に基づいた原則主義・目標を定めた柔軟な行動力…あたりは短編の方がシンプルに出てきて楽しめるところはあるかも。

「黄門様の印籠」みたいですがw。

 


どの作品も面白かったですが、個人的には「竜崎異動後」の大森署の話が味わい深かったですね。

そりゃまあ、竜崎みたいなキャラはそうそう出せないので、彼が去った後の大森署が、旧弊に染まってしまうのはなんとも寂しい。

…というところを、またキャラの立った新しい署長の赴任でカバーするのはチョット嬉しいです。

いや、フィクションなんだけどさ。(この新署長、別シリーズにも出ているようです)

あと表題の「審議官」。

こういうお偉いさん。いるよねw。

 


「隠蔽調査」の連載が始まっているようですから、次は「長編」ですね。

楽しみにさせてもらいます。

 


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