鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ヒロインの幸せを祈らずにはいられない:読書録「天使の傷」

・天使の傷<上・下>

著者:マイケル・ロボサム 訳:越前敏弥

出版:ハヤカワ文庫(Kindle版)

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昨日、Amazonを覗いた時に発売されてるのに気づき、即購入。

帰りの電車で読み始めて、一気に読了しちゃいました。

「鎌倉殿」も「佐野元春」も後回しですわw。

 

 

「天使と嘘」に続くシリーズ第2作。

 

人身売買組織に囚われていた過去を持つ少女

実の兄に家族を惨殺された過去を持つ臨床心理士

 

前作で距離を縮めた二人が、前作では明らかにされなかった少女の「過去」に踏み込みます。

 

 

 

少女を襲った「過去」は、「現在」に至るまで未だに活動をしており、その脅威は本作で主人公二人に迫ります。

この「脅威」に、やや「陰謀論」めいたところがあって、そこにリアリティを持てるかどうかは、作品評価としては微妙なところがあるかも。

ただ「少女」や子供たちをめぐる悲劇には胸に迫るものがあり、終盤の畳み掛ける展開、エピローグのオチの付け方に、ググッと引き込まれました。

終盤のアクションとサスペンスに満ちた展開は前作もだったんで、この作者の「オハコ」なのかもしれませんね。

 

ようやく一緒に暮らすことができるようになった二人。

「家族」になろうとするその一歩の先に、「幸せ」が訪れることを望まざるを得ない気持ちになります。

 

 

 

ただ「少女の過去」にはまだ隠された陰謀がありそうな雰囲気も…。

多分そこらへんが描かれるであろう第三作は、2022年6月に本国で発売予定。

…となると、翻訳は1年後?2年後?

 


越前さん、頑張って、1日も早くお願いします。

 


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