・北条義時 鎌倉殿を補佐した二代目執権
著者:岩田慎平
出版:中公新書(Kindle版)
「鎌倉殿の13人」の第一話が面白かったので、ネタバレ…じゃないやw、時代背景を知りたくなって、Amazonをポチ。
主人公その人の名前で検索して、ずらっと並んだ中からチョイスしました。
安心の「中公新書」。
もちろん「便乗本」なんですが、さすがに中身はシッカリありました。
題名は「北条義時」ですが、義時が登場するのは半ばになってからw。
それまでに、北条氏の出自、頼朝の登場と北条氏との関係、平氏滅亡…あたりの「解説」がタップリあります。
本書の特徴は、「鎌倉幕府」という武家政権の樹立を描きながら、その背景にある朝廷・貴族社会との関係性・距離感をメジャーの一つとして重視してるってとこにあるんですよ。
貴族社会の中に政権を置いた平家
朝廷とは距離感を保ちながらも決して決別はしなかった頼朝
上皇との関係性を維持しながらも、最終的には決裂するが、それでも朝廷との関係は持ち続ける義持・政子
この構図の上に北条執権が確立される過程を描いてるわけですが、そのためには「前振り」が非常に重要になるわけです。
「源平合戦」を中心とした武家の権力闘争(その後同族間抗争含め)からここら辺の時代って見ちゃうんですが(面白いですからね、チャンチャンバラバラは)、武家政権が成立するのは、当然その「前」の勢力とのせめぎ合いがあるわけで、本書はそこに重点の一つを置いています。
まあ、登場人物がわんさか出てきますから、安易に「分かった」とは言えませんがw、なんとなく雰囲気は掴めた印象はあります。
ドラマとの関係でいえば、
「鎌倉殿の13人」
というと、なんとなく「鎌倉殿」を一致協力して支えていく…ってイメージですが、実際には「13人」での血で血を洗う権力闘争が繰り広げられます。
頼朝に死後、13人による合議制が敷かれたことは事実ではあるんですがね。
でもって、最終的には北条義時が執権として権力を掌握するわけですが(この間、「鎌倉殿」は頼家→実朝→政子と代わります)、そこに明確な「目的意識」や「陰謀」があったかと言うと、なんかそうでもなくて、頼朝の死後、なんとか目の前の火の粉を振り払ってたら、こうなっちゃった…って印象があります。
三谷幸喜さんが題材として面白いと思ったのは、そう言うところもあるのかもしれません。
(違うかもしれんけど)
義時が土壌を作った「北条執権」を完成させるのが息子の「泰時」。
この「北条泰時」の母親って、出自がよく分からないようです。
う〜ん、となるとコレって、もしかして、もしかする…のかしらん?
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