人類初の月面着陸をしたニール・アームストロングの伝記映画。
「ラ・ラ・ランド」の監督・主演コンビでの映像化です。
ファースト・マン
宇宙計画ものとしては、「ライトスタッフ」「アポロ13」あたりが大好きなんですが、成果としては「画期的」(何たって月に行ってます!)な<11号>が今ひとつ地味な感じがするのは、「成功しちゃった」のと、この「ニール・アームストロング」が割と<冷静で面白味がない>人物だからなのかもしれません。
ま、だからこそ大業を成し遂げる人材でもあったわけですけどw。
本作ではそこら辺を踏まえてか、「偉業を讃える」というより、ニール・アームストロングの「家族関係」と「個人的心情」をメインのテーマとして、個人の「内面」に踏み込む描写を抑えつつ、外面的な演技やシチュエーションから描くスタイルになっています。
ここら辺が上手い!
月面着陸なんて、もっと「ジャジャーン!」ってなって良いシーンですけど、本作では<お葬式>ですから。
月へ行って、帰ってくる。
それと同時に、自分自身が抱えている<大きな哀しみ>にひとまずの区切りをつけ、家族のもとへ戻っていく。
「往て還し物語」として本作は語られています。
(映像&演出的にはロケットの「閉塞感」がスゴイ。
若干閉所恐怖症の毛がある僕には冷や汗ものでした…w)
「ライトスタッフ」でチェック・イェーガーが逆光で立った時、「真の英雄とは何か」と言う問いが心をつき、思わず涙腺が緩んじゃいました。
現実社会ではイェーガー以上の英雄であったアームストロングの物語は、もっとパーソナルな物語として僕の心を打ちます。
それもまた「英雄」の姿なのだと。
(実際のところ、「家族」「友人」としてはイェーガーは困った人かも。
イェーガーとアームストロングが実際に<遭遇>した時の話がウィキペディアに出てますが、「さもありなん」って感じで、ちょっと笑います。
大人になれよ、イェーガーw)
良い映画でしたよ。