鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

そこはかとなく、「昭和」なイメージが…:読書録「悲しみは真の人生の始まり」

・悲しみは真の人生の始まり  内面の成長こそ

著者:柳田邦男

出版:PHP出版

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齋藤学さんの本(50歳からの孤独入門)で紹介されてた作品。

柳田さんの息子さん(次男)の自死から、「絵本」を通じた心の育成への取り組みに至る流れに興味を覚えて…です。

ま、「犠牲」やそれ以降の柳田さんの作品を読めばいいんですが、その手間を省いてってのもあります。NHKのインタビュー番組を書籍化した作品なんで、あっという間に読み終えれますからw。


基本的には「そうだよね~」って印象です。

息子さんの死をどう捉え、それをどういう風に今に繋げているかってのも考えさせられます。

デジタル革命が進む中で子供達を巡る環境が変わってきて(ゲーム、インターネット、スマホetc)、子供の成長にも悪影響が出てきている。そう言う中で、「絵本」と言うのが重要な意味を持ってくるんじゃないか…。

まあ、ここら辺も特に反対するようなことではないか、と。


ただまあ、読み終えて、何となく世代的ギャップというか、「昭和」っぽいと言うかw、ちょっとした違和感を覚えたのも正直なところです。

例えば「絵本」の子供達への影響を語るところで、こんな風に…


<絵本を一緒に読む時は、親と子は対等になれます。(中略)

そして、お母さんが悲しみに涙を流せば、子どもも涙を流す。あるいは、おかあさんが泣いている。その涙につられて、子どもは、より感動性を深くしたり、「お母さんも泣くんだ…」とか、リアルな体験をすることで、子どもの感性や感情はまろやかに育まれていく。(後略)>

 

<絵本の読み聞かせをすることにより、切れがちな親子のアタッチメント、愛着関係がしっかりとつながる。これは、子どもにとって大事なことです。そんな幼児期の体験を持つと、自分が親になって子どもを育てる時、その幼児体験がリアルによみがえってきます。

お母さんの湯上がりのシャンプーの香り、寝そべった時のパジャマのやわらかい感触、そういった雰囲気が頭の中に残り、それがよみがえってくる。愛されて育てられたことが、まさに心の中に根づいているんです。(後略)>


ここでさすがにインタビュアーもまずいと思ったのか、


<お母さんだけでなく、お父さん、まわりの人でもそれはいいんですか?>


って、差し込んみます。

柳田さんもそれを受けて父親の育児関与の重要性をコメントしてますから(フランスとの対比なども指摘しています)、決して根っから「専業主婦神話」に侵されてるわけじゃないんですが、サラッと出てくるコメントがこう言う風になるのが、何となく…です。


しかしまあ、柳田さん、   1936年生まれですからw。

これはある意味仕方ないか、と。

(ただ「家族」の中で柳田さんがどういう振る舞いで、どういう風に接してきたのか、ってのはちょっと気になります。亡くなられた息子さん以外にも、奥さん(離婚されいるようです)も精神的に追い込まれたりもしてたようですし…。

ま、こう言うことは外からは何とも言えないってのもありますけどね)


それはそれとして、むしろ今日的にそれをどうアップデートしていくべきなのか、ってのが重要なんじゃないかなとは思います。(「絵本」に関しては、ここ数日、堀江貴文さんの発言がネットで話題になったりもしてました)

http://news.livedoor.com/article/detail/15459233/

 

インターネットやスマホを「なし」にするってのは、ど~考えても現実的じゃないですから。