・ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち
著者:おおたとしまさ
出版:ディスカヴァー携書
我が家の子供たちも「中学受験」をしたので、その際の情報収集として「おおたとしまさ」さんの諸作品にはお世話になりました。
私立一貫校や、男子校・女子校なんかの情報やスタンスなんかをわかりやすく紹介してくれてたんですが、その行き着く作品がココかぁ、と。
「おおたさん、ここに辿り着いちゃったのかぁ」
先に読んだ妻も感慨深げ。
全体的には、
「ああ、こんな悲惨なことがあり得るのか」
と事例を読みながら思いつつも、
「その<芽>は自分たちにだってあった(今もあるかも)」
と、ヒヤッとするところも。
自分と子供たち
自分の親と自分
正直言うと、しっかりと自分の中で言語化しきれない部分がまだあるんですよね。
それくらい刺さるところがある。
<教育虐待に陥らないために、親は自分自身に次のように問いかけて欲しい(中略)
(1)子どもは自分とは別の人間だと思えていますか?
(2)子どもの人生は子どもが選択するものだと認められていますか?
(3)子どもの人生を自分の人生と重ね合わせていないですか?
(4)子どものこと以外の自分の人生を持っていますか?>
そして子どもの人権として3つが挙げられています。
<(1)「生まれてきて良かったね」と言ってもらえる
(2)「ひとりぼっちじゃないからね」と言ってもらえる
(3)「あなたの人生はあなたしか歩めない」と認めてもらえる>
(これは「大人の人権」でもある…とも)
日常的にはつい声を荒げたくシーンもあるし、やってることや考え方、と仕組み姿勢なんかに小言の一つも言ってみたくなることもある。
でもその根っこに何があるのか?
それが一時の感情のではなく、本当に考え抜かれたことなのか?
教育虐待=「あなたのため」と言う大義名分のもとに親が子に行う いきすぎた「しつけ」や「教育」のこと
自らに問いかけ続けなけれならない「大切なこと」が書かれている作品だと思っています。