鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

日韓の感覚差:「鋼鉄の雨」補足

ポリティカル・サスペンスとしてむちゃくちゃ面白かった「鋼鉄の雨」ですが、随所に出てくる「日本」に対する言及の中には、日本に対する微妙な距離感が感じられ、その点からも興味深い映画でした。

(以下、ネタバレあり…です)

 

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韓国の外交筋(諜報関係)にたずさわる主人公が部下(?)に講義するようなシーンがあって、その中で彼はこんなことを語ります(うろ覚えですが)。

 

「第二次世界大戦で敗戦国となったドイツは、冷戦時代に南北に分離した。しかし日本は分割統治されず、分割されたのは朝鮮半島だった」

「戦後、朝鮮が直面したのは<日本>と言うイデオロギーだった。韓国はそれを<経済>で克服した。北朝鮮は<核武装>で克服しようとしている」

 

ドラマの中での南北対立の緊張下、米国と韓国は北朝鮮への先制攻撃を計画しますが、北朝鮮は日本に向けて核兵器を発射。

日本海上でミサイルは迎撃されますが、日本への攻撃を憂慮して、米国は先制攻撃を中止します。

韓国大統領「韓米同盟よりも、日米同盟を優先するのか!」

 

そして映画のラスト。

南北朝鮮の「平和」のために、北朝鮮が韓国に核兵器の「半分」を譲り渡すことになります。

 

…色々ツッコミどころはあるんですが、韓国の日本への感情的なモツレは感じ取れます。

民族統一への思いもね。

こういうトコ、なかなか認識できてないと思うんですよね、日本の方は。(僕自身はそうです)

 

<2回目の南北首脳会談 金委員長が文大統領に要請>

https://gunosy.com/articles/Riynl?s=s

 

「鋼鉄の雨」でも将軍の残虐な粛清がクーデターの引き金をなったことが描かれています。

そのことが忘れ去られてるわけじゃない。

でも歴史的背景の中で翻弄された朝鮮民族への想いは、韓国国民・政府の中には根強くあるんだなぁ…と。

(壮絶な殺し合いであった朝鮮戦争の経験や、経済・思想の格差等、統一への考え方が単純ではないことももちろんですが)

 

だからこそ「危なっかしい」ってトコもあるんですけどね…。