・お金2.0 新しい経済のルールと生き方
著者:佐藤航陽
出版:幻冬舎(Kindle版)
お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)
- 作者: 佐藤航陽
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/11/30
- メディア: 単行本
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何やらコインチェックの流出騒ぎで仮想通貨界隈が騒がしくなってる最中になんですが…。
まああの騒ぎで、
「そういや、こう言うの、以前DLしてたな」
と思い出したんですけどねw。
(コインチェック騒動自体は仮想通貨の問題じゃなくて、会社のセキュリティ体制・ビジネスモデルの問題のようですが)
「お金」と言う題名付いてますが、お金そのものと言うよりは、「経済」の仕組みについて考察した作品。
後半は資本主義に代わる(正確には「補完する」だと思いますが)考え方として、「価値主義」について論じています。
正直言って、読み終えた感想は、
「う〜ん、ピンと来ん…」。
作者は80年代生まれのデジタルネイティブの世代でさえ、今後の価値社会を担うトークンネイティブ世代のことは理解できないだろうと言ってますから、もはや50オーバー、バブルもリーマンショックも知ってる僕が「ピンと来ない」のは、当たり前かもしれませんがね。
前半は割と面白く読めたんですよ。
動的ネットワークの特徴である「極端な偏り」「不安定性と不確実性」の話とか(ここら辺、「格差」の話につながります)、「経済システム」ってのは<物事をうまく回す仕組み>で、それは会社とかNGOとかの組織にも通じる話だ、とか。
その要素ってのが「インセンティブ」「リアルタイム」「不確実性」「ヒエラルキー」「「コミュニケーション」の五つ。
これらがシステムをうまく回していく上でどう連関していくのか。
ここら辺の話は具体的なとこもあって、実に分かりやすく、腑に落ちました。(持続と安定のためには、この5つに加えて「寿命による移動」と「共同幻想」が挙げられています)
「トークンエコノミー」の方も、Tポイントとかの電子ポイントを考えると、「まあ分からんでもないかな〜」。
ブロックチェーンを使って、これらが自律分散的に…ってあたりも、実感はないけど、まあ…。
いやコレがそれぞれのエコノミーで閉ざされてたらスッキリするんですがね。
なんらかのことで評価され、与えられたトークンが、そのコミュニティ内で使われる…ってな感じなら。
ピンと来なくなるのは、それがほかのトークンとの交換が可能であり、国家が発行する貨幣とも交換できるってあたりから。
「それじゃあ、フツーのお金と何が変わるの?Suicaにチャージするようなモンじゃないの?」
…いや、なーんとなくは分かるような気もするんですよ。
ただ「実感」が湧かない…。
コレが旧世代の限界でしょうか…。
<利用価値・使用価値>のみに焦点が当たっていた「資本主義」から、<内面的な価値><社会的な価値>(コレらはテクノロジーの発展で把握できるようになった)まで包含した「価値主義」への流れなんかは、ちゃんと「炎上」商法も位置付けてて、興味深いとは思います。
ただそれがトークンエコノミーとつながって、それが貨幣と交換…となると、
「結局金かよ!」
と旧世代ノリが理解を妨げると言うか…w。
困ったもんです。
まあ個人的には、
・実感が持てないものには、持てるようになるまでは、手を出さない
・テクノロジーの発展には目配りして、アナログ至上主義には陥らないようにする
ってあたりのスタンスで行こうとは思ってるんですけどね。
でもApple WatchでSuicaが使えるようになるまではほとんど電子マネーは使ってなかったのが、今じゃ電子マネーが使えない店や自販機には舌打ちしそうな勢いですからね、僕もw。
そのうち、コロッと宗旨替えしないとも限りませんw。
と言うことで、ようは分からんけど、将来的には理解出来るようになるかもしれないので、とりあえず読んではみた…と。