・サブスプリクション・マーケティング モノが売れない時代の顧客との関わり方
著者:アン・H・ジャンザー 訳:小巻靖子
出版:英治出版(Kindle版)
サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方
- 作者: アン・H・ジャンザー
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2017/11/13
- メディア: Kindle版
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ネットの定義だと「サブスプリクション」はこう。
<サブスクリプション方式はビジネスモデルの1つ。 利用者はモノを買い取るのではなく、モノの利用権を借りて利用した期間に応じて料金を支払う方式。 コンピュータのソフトウェアの利用形態として採用されることも多い。 >
まあシェア文化が進む中で、「保有」から「利用(使用)」へスタイルが移行していく、象徴的なビジネスモデルです。
SalesForceみたいなのから、Amazonのプライム、Hulu・Netflix、Spotify・AmazonMusic etc、etc。
最近じゃ高級車でもこう言うビジネスプランがありますね。
「定額支払いで、利用し放題」
って考えると、
「ちょっと保険は違うかな?」
って思います。
理論的にはあり得るけど、ちょっとリスク選定や定量化が難しいよな〜と。
でも「サブスプリクション」の重要な視点は「定額支払い」じゃなくて、「既存顧客への価値提供」なんですよね。
「新規顧客獲得」で終わりじゃなくて、顧客との関係性を重視し、「既存顧客」に価値提供し続けることで、継続利用率を高めるとともに、クロスマーケティングや顧客紹介に繋げていく。
…これって保険販売について代理店さんと話してることにモロ被り。
「保険」が目に見えて「機能」を発揮するのは、「販売(購入)」のタイミングとは離れています。
「自動車保険」だと事故が起きた時とかですから。
でも実際には「自動車を運転してる時」は保険がリスクをカバーしてるわけですし、ある意味、顧客が保険を「使用」しているとも言える。
そこを顧客にどう意識してもらうかと言う点は、継続的な顧客の接点を持つことから生まれるし(更新のタイミングで補償の説明をするとか)、その顧客接点の「質」(価値提供)によって、「継続利用率」(保険の更新)は上がるし、その満足度が補償の拡充や、見込み客紹介につながる。
「保険を売る」と言う視点でも整理は出来るけど、こういう風に「既存顧客との関係」をベースに、その価値提供・価値育成を考える方が、これからの保険ビジネスを考える上では相応しいのではないか、と言うのが僕の仮説です。
人口がドンドン増えて、核家族化の進展で世帯数が増えたり、モータリゼーションでガンガン車を買う人が増えるような時代は過ぎ去り、今はすでに保険に入ってる人にアプローチすることが保険販売のメインの時代になりつつありますからね。
既存顧客に価値提供をすることでディフェンスしつつ、その顧客の力も借りながら(顧客やストーリーの紹介等)マーケットを広げていく。
保険もそう言う時代だと思います。
そう考えると「サブスプリクション」ビジネスを勉強する意義もあるのではないかと思った次第。
本書にはサブスプリクションに関する理念的な解説もありますが、メインは「実践」です。
マーケティングという切り口から、「価値育成のための戦略」その実践について具体事例がたくさん紹介されています。
それぞれ、どういう「狙い」があるかも含めて、ね。
まあ正直言って、すぐに「これが保険には向いてる」ってのがあるわけじゃありません。
でも見方を変えると、「既存顧客への価値提供・価値育成をビジネス戦略としよう」と腹をくくれば、どれも参考になります。
まあまだ自分の中でも「仮説」なんで、「こうだ!」って実践にまでは思い至ってないんですが、イロイロ考えさせられるとこはありましたよ。
保険がどうかはともかく、世の中の大きな流れがこういう方向にあるのは間違いないでしょうからね~。
いずれにしても、ここら辺は継続して勉強していかんとな、と思ってるトコです。