鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「男の肖像」(再読)

・男の肖像
著者:塩野七生
出版:文春文庫(Kindle版)

男の肖像 (文春文庫)

男の肖像 (文春文庫)



Kindleで「男たちへ」を読み終えた際、Amazonの方から「オススメ」されて、続けて購入した作品。
勿論「再読」。
どこまでもAmazonの「罠」に追いかけられておりますw。


紹介されているのは、
「ペリクレス」「アレクサンダー大王」「大カトー」「ユリウス・カエサル」「北条時宗」「織田信長」「千利休」「西郷隆盛」「ナポレオン」「フランツ・ヨゼフ1世」「毛沢東」「コシモ・デ・メディチ」「マーカス・アグリッパ」「チャーチル」
の14人。
その人生を紹介・・・というよりは、肖像画を見せて、その人物について特に制限なく「一言」って感じですかね。
その切り口がナカナカ面白いし読ませる・・・と最初に読んだときは思いましたし、それは今回も変わりなかったです。
時事的なことにも触れてるんだけど古びない・・・ってのは、「歴史作家」としての塩野氏のレベルの高さにも通じると思いますね。


今回読んで特に記憶に残ったのは、以下の3人。
忘れちゃってるけどw、多分、前読んだときとは違ってきてるでしょうね。
そこら辺は「今」の僕の興味と絡んできたりするからでしょうか。


比叡山・一向一揆を「殲滅」した「織田信長」(<織田信長が日本人に与えた最大の贈物は、比叡山焼打ちや長島、越前の一向宗徒との対決や石山本願寺攻めに示されたような、狂信の徒の皆殺しである。>)
信長/秀吉に仕える心情を推測する「千利休」(<秀吉をパートナーにもったことが、利休の不幸であった。しかも、他の面ではなかなかの業績を上げた秀吉の、最も劣った面と付き合う羽目になったのだから、不運というしか言いようがない>)
「国際政治」というものを考えさせられる「チャーチル」(<不名誉なことをしながらも、高潔さを維持できる男がいなくなって久しい。>)


こういう切れ味の良い視点が塩野氏の歴史書の「人物像」にはあって、それが「読ませる」んだよな・・・と改めて思いました。
「ローマ人の物語」の「ユリウス・カエサル」の巻や、「わが友マキアヴェッリ」あたりが、個人的には彼女の「ベスト」と思っているのも、これが所以。


「マキアヴェッリ」はまだだけど、「カエサル」は電子書籍化されてるんですよね。
どうしよーかなー。