・日本3.0 2020年の人生戦略
著者:佐々木紀彦
出版:幻冬舎(Kindle版)
- 作者: 佐々木紀彦
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/01/24
- メディア: Kindle版
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ネットメディア「NewsPick」の編集長の未来予測&人生戦略本。
コメントの質とか、色々課題はあるようですが、NewsPickは結構好きで、(安くないけどw)購読を続けているネットメディアです。
その編集長が「2020年」を境に大きく日本は変革をする(せざるを得ない)として、それを担う30代に向けて描いた作品。
…ま、50代の僕は「対象外」と言うことですがw、「どう言う言葉で未来を語るべきか」という観点から読んでみました。
「目新しいことはない」でも「ビジネス目線で整理されていて、頭の整理になる」
って本でした。
「2020年」と言う区切りは、「第4次産業革命」が社会を具体的に大きく変えるとともに、70年区切りでの日本の「ガラガラポン革命」(明治維新、第二次大戦に続く)にあたるところから設定されています。
厳密なとこはどうかとは思いますが、まあ「そこらへんに区切りが」とは思いますね。
もっと現実的には団塊世代が一線から去るタイミング。
これはもう「現実的」です。
そこら辺を第1章(日本3.0の始まり)で論じ、以降、「国家」「経済」「仕事」「教育」「リーダー」と章立てして、それぞれについて論じています。
どの章も面白いんですが、一番の個人的に「読みどころ」となったのは、「教育」と「リーダー」。いずれも「教養」の必要性を強く訴えています。
「日本の高校までの教育システムはよくできている。問題は高等教育。ここが世界基準から見て著しく劣化している」
こう言うと、なにやら「実学志向の大学改革」みたいですが、作者が言ってるのは「教養をつける場としての大学の劣化」です。
正直言って、僕はこれに「大賛成」。
本書ではハーバードやスタンフォードの「教養」習得のためのシステムが紹介されてますが、とてもじゃないが「敵わないな」と思いますよ。
それどころか個人的には、社会人・ビジネスマンとしての基本となる「読み」「書き」「算盤」すら十分に教えることができてないんじゃないかと思いますね。
「読み」「書き」「算盤」って可愛は「実学」じゃないか。
と言われれば、確かに「実学」。
でもそのレベルは決して低くないですよ。
一定程度のベースとなる「古典」を読み、ロジカルシンキング/クリティカルシンキングを身につけ、論理的な文章を一定程度の書くことができ、クリティカルで建設的な対話ができるとともに、最低限の統計的感覚を持っている。
これが求められる「実学」のレベルでしょう。
こう言う「場」に「大学」はなるべきだ…と言う意味で、僕は作者に大賛成です。
最近の色々な動きを見てると、IT・AI絡みの動向は思ってるよりスピード感を増してる気がします。
まあ、「楽観主義者」なんで、そんなところばかりが目につくのかもしれませんがw、「2020年の大転換」ってのは、あながち「法螺」じゃないのではないか…と。
まあ、年齢的にそこで「大活躍」とは残念ながら行かないと思いますが、その変化を「楽しみたい」と言うのが僕の希望です。
そのために本書を読んだ30代が「チャレンジ」に踏み出すなら、それはそれで応援したいですね。