鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

再読。やはり面白い。:読書録「わが友マキアヴェッリ」「マキアヴェッリ語録」

・わが友マキアヴェッリ
著者:塩野七生
出版:新潮社(Kindle版)


・マキアヴェッリ語録
著者:塩野七生
出版:新潮文庫(Kindle版)

マキアヴェッリ語録 (新潮文庫)

マキアヴェッリ語録 (新潮文庫)


「読書は格闘技」で「君主論」がオススメ本としてリオストアップされたのを見て、「久しぶりに読んでみようかなぁ」と思ってAmazonを覗いたら、この2作が電子書籍化されてるのを見つけました。(その時点では「語録」は「予約」段階だったけど)
で、方向転換して、こちらの方をDL。
読む見返すのは10年ぶりくらいかなぁ。いや、もっとか。


やはり面白いですな、
「わが友」と称するだけに作者の思い入れもあるし。
そして50代を迎えている「今」読むと、それはそれで違った感慨も出てこようというもの。終盤の淡々と「史実」のみが並べられるパートでは、どこかしら胸の痛みすら覚えずには入られませんでした。


「芸術作品」として多くの「作品」を残したダヴィンチ、ミケランジェロ
「人生」を「作品」として見事に結実させたロレンツォ・メディチ
「未完成」であった「人生」という作品を、マキアヴェッリの手によって高い次元での「作品」に完成したチェーザレ・ボルジア


ルネッサンスを彩る多彩な人々に並ぶだけの「作品」をまたマキアヴェッリも確実に残したのだということを、この2作で確認することが出来ます。


今では「常識」とさえ思える(それでいて今読んでも鮮烈な印象を与える)マキアヴェッリの「作品」が、それでいて同時代の人々には受け入れられたとは言えない現実。
それでいながら、自分が大切に思うものたちの「終焉」を「見届ける」運命にあったマキアヴェッリの人生。(チェーザレ、自分が仕えた政権、著書を捧げた弟子たち、そしてフィレンツェ共和国そのものさえ)
それでいて、「明るさ」と「活力」がいつもつきまとうマキアヴェッリの人柄が何ともイイんですよね。


歴史的、喜劇的、悲劇的


前読んだ時より、今回のほうが、ストンとこの言葉が胸におちました。
「まさに」
と。