・月神
著者:井上敏樹
出版:朝日新聞出版
- 作者: 井上敏樹
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2015/11/06
- メディア: 単行本
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これまた「ウィークエンドシャッフル」の「推薦図書特集」の一冊。紹介者は宇多丸さんだったかな?
作者は「平成仮面ライダー」のシナリオライターで有名な方のようですね。不明にも僕は存じ上げませんでした。
ただ「仮面ライダー」ですからね。
紹介文で、「ダークヒーロー」(ぶっちゃけ「殺し屋」)が主人公なことは分かっていましたが、内容としてはスッキリ「エンタメ」系のハードボイルドアクション路線を何となく想像していました。
大外れ。
ま、考えてみれば、そんなのを宇多丸氏が推薦するわけがありませんw。
読んでて思い出したのは、初期の頃の「花村萬月」作品かな?(「初期」ってのは、最近作は読んでないんでw)
基本的な設定は「ハードボイルド・ヒーロー」なんだけど、「情念」と「暴力」が過剰に詰め込まれていて、時に純文学系のノリにもなっていく...という。
もしかしたら本作の方がスタンスは「純文学」の方に近いかもしれません。
そういう意味じゃ、好き嫌いは相当あるでしょうね。
僕自身は「もうちょっとエンタメ寄り」の方が好みですかね。主人公の「過去」は興味深く読めるんですが(この「語り」が挟み込まれる構成自体に意味があるんですが)、その分「現代」パートの推進力が落ちてる気がするんですよ。
「そこが書きたかったわけじゃない」
って言われりゃ、その通りなんでしょうが。
尋常じゃない「熱量」がある作品なのは確かですし、キャラはどれも魅力的です。
ダークヒーロー系のエンタメ小説に興味があるなら、一読の価値はあるかと。
...あんまり広いマーケットじゃなさそうですがw。