・ザ・セカンド・マシン・エイジ
著者:エリック・ブリニョルフィン、アンドリュー・マカフィー 訳:村井章子
出版:日経BP社
- 作者: エリック・ブリニョルフソン(Erik Brynjolfsson),アンドリュー・マカフィー(Andrew McAfee),村井章子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2015/07/29
- メディア: 単行本
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いくつか「近未来テクノロジー」に関する本は(興味があって)読んできましたが、本書が一番感覚的にはフィットしますかね。
「人工知能」のような「警告」も分かりますし、その 危険性を無視することはできないとは思うんですが(本書でもそのリスクには触れられています)、「人工知能」を読むと、
「じゃあ、どうせいっちゅうねん」
って気持ちになっちゃうんですよねw。
それくらいなら、その「リスク」は認識しつつも、前向きに捉えていく方が良いのではないか、と。
その果てに「スカイネット」の世界が来ちゃったら、そりゃ困りはしますがw。
本書は人類の「人口面」での最初の「爆発ポイント」(それまではほとんど人口面での増加は緩やかであった)を「産業革命」と指摘し、現在の「人工知能」前夜のIT革命を「第二の爆発ポイント」となりうると読んでいます。
だから、
「セカンド」マシン・エイジ
な訳ですな。
産業革命時にもあった「発明時点」と、それが普及し、社会や組織に変革を与え、十全に機能を発揮できるようになる「タイムラグ」と同様の期間に「今」が当たるとして、これから「爆発的」な変革期がやってくると指摘しています。
ま、僕なんかはその「タイムラグ」の申し子でしょうかw。
子供達は「違う時代」を生きていく...ってことかもしれません。
「格差」の問題や、「失業」の懸念などにも目配りしていて、本書は非常にバランスのとれた作品になっていると思います。
それでも「人工知能」に比べりゃ、随分と楽観的っちゃあ、「楽観的」。
でも僕はその方が「変化」を前向きに捉えられていいと思うんですよね。
確かに「労働」のミスマッチは起きうるリスクがある。「人工知能」を考えると、その影響は「単純労働」にとどまらないとさえ予想できる(というか、「単純労働」の方が置き換えにくいという視点もあり得る)。
それでも、「機械」と協業することで、新しい社会/産業/世界が拓けうるのではないか。
僕はそんな風に考えています。(アンドリュー・マカフィーのTEDの講演なんか、参考になるかな)
「格差」を始め、真剣に取り組まなければいけない「課題」は確かにありますが。
翻訳もこなれていて、非常に読みやすい作品だったと思います。
個人的には「オススメ」w。