鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

結構腑に落ちます:読書録「『最高の上司』は嫌われる」

・「最高の上司」は嫌われる 最強の部下とチームをつくるリーダーの条件
著者:マルクス・ヨッツォ 訳:長谷川圭
出版:CCCメディアハウス(Kindle版)

「最高の上司」は嫌われる 最強の部下とチームをつくるリーダーの条件

「最高の上司」は嫌われる 最強の部下とチームをつくるリーダーの条件


今更新しい「リーダー論」の本を読んでもとは思ってたんですが(別に自分が立派なリーダーになったからって訳じゃなくw)、ちょっとしたキッカケがあって、読んでみることにした作品。
何かで紹介されて…ってのでもなくて、目について適当に購入したってのがホントのとこです。ま、こういう本は何らかの「気づき」を一つ二つ与えてくれればOKっと思っているので。


しかし存外「当たり」でしたね、コレ。結構ハマりました。


<理想のリーダーの最新トレンドをひとことで表すと、「部下のやる気を引き出す明るいリーダー」、あるいは「理解力のある父親のような上司」となるだろう。しかし私には、それが間違いであるように思える。>
<昔のような威厳たっぷりで偉そうな上司の方が優れていると言いたいのではない。>


割と日本のビジネス現場だと、「人間力」を論点の中心に置いた、それ故にこそ「じゃあ、どうしろってっていうの?」って「リーダー」像が多く語られています。一方で「ハラスメント」が問題視されるのと並行して、「コーチング」を中心とした「支援型」「サポーター型」の「リーダー」像も打ち出されてます(本書の作者が言ってるのは、この後半の方に重なりますかね)。


じゃあ、作者が「サポーター」型のリーダーを否定して、もっと強圧的あるいはティーチング型のリーダー像をろんじているか、っていうと、それもまた違うんですよね。
一言で言えば、
「自分で考え、行動する部下・チームを生み出し、育てるリーダー」。
<上司がいなくても自立して働ける権限と能力を部下に授けるのが最高のリーダーだ。>
このテーゼが今の自分の課題意識にバッチシだったんですよw。
かなり耳が痛いと思いながらも、読み進めさせていただきました。


<・調和を求めるのをやめ、必要なら部下にプレッシャーを与える。
・(旧世代の経営陣に特徴的だった)非人道的な重圧を部下にかけるのをやめ、部下ひとりひとりの潜在能力を引き出し、個人的成長を目指す。
・部下のモチベーションを高めるだけでなく、彼らの情熱に火をつける。>


そんな方法があったら、教えてくれよ!
…と言うわけで、結構具体的なやり方や手順が本書では紹介されています。
もちろんそれができるかどうかは、組織次第だし、リーダー・メンバーのパーソナリティ、社会的環境も影響してきて、一筋縄ではいきません。
でも参考になる「何か」はある。
…と思いたいですw。


「答え」は与えず、「問い」を投げかけ続け、自分で考えない、自分で「答え」を導かせさせる。


言葉にすりゃあ、簡単なんですがねぇ。
ただ全ては「今」をスタートラインとするしかないのも事実です。
その「参考書」として、本書はスゴく役に立つように思います。
少なくとも「心理的」にはw。