鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

まあ、気楽に読めます:読書録「殺竜事件」

・殺竜事件

著者:上遠野浩平

出版:講談社タイガ(Kindle版)

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「ブギーポップは笑わない」でライトノベルに一時代を築いた作者の別シリーズ第1作。

…って、「ブギーポップ」シリーズも他の作品も読んだことないんですけどねw。

「なんか気楽な推理小説か、ファンタジーでも読みたいな」

と思ってるところを、書店頭で見かけ、

「ファンタジーで推理小説やん」

と至って安易に購入。(買ったのはKindleで、ですが)


サラッとよめて、面白かったです。

舞台としては「異世界」ですが、「こちらの世界」とも繋がってるところもあって、若干そこらへんが主人公のキャラ設定にも絡む…って設定なんですが、本作だけではそこら辺の関係性みたいなのはハッキリしません。

「誰が/どうやって/絶対的な力を持つ竜を殺したのか」

って点については、特に異世界ロジックを使うわけでもなく、「証拠」も開示されてて、論理的に解決。

そういう意味では「推理小説」にもチャンとなっています。(トリックとして「ビックリ」って感じでもないですけどね)


登場人物たちはそこそこキャラが立っているので、続きを読んでもいいかなぁとは思っています。

それより代表作の「ブギーポップは笑わない」を読んだ方がいいかな?

ま、「読まなきゃいけない」ってもんでもないので、隙間時間の具合を考えながら考えますわ。

不良、ヤクザ、アイドル、そして小説。実に「80年代」:読書録「青少年のための小説入門」

・青少年のための小説入門

著者:久保寺健彦

出版:集英社

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ヤングアダルト本のオススメで挙がってたのを見かけて、中2の息子のために購入。

…が、親が買ってきた本をホイホイ中2男子が読むわけもなくw、しばらく放置されてたら、小6の娘が読んで、

「面白かった」

刺激を受けて息子が読んで。

「面白かった」

…で、読んでみました。

いやぁ、面白かったw。


表紙が「バクマン。」の小畑健で、二人組作家の話で、出版が「集英社」。

「小説家版バクマン。」?

って思うのは当然だし、それが狙いでもあるんでしょうが、思ってる以上に「小説」でした。

もっとも僕は「バクマン。」は実写版映画でしか知らないんで、比較する資格はないんですけど、少なくとも「便乗モン」ではないですね、これは。


「小説家」を題材にした作品としては、最近では「雨あがりのように」(マンガと映画を見てます)がありましたが、作品としてはノレた一方で、そこで描かれる「小説家像」には「?」だったんですよ、 正直。

だって漱石と芥川龍之介なんやもん、出て来るのが。

いや、勿論それが悪いわけじゃないけど、「小説家を目指し、書き続ける」人物像を描くなら、もう少し「幅」が必要でしょう。(ま、それ自体が、マクガフィンなのは分かってますけど)


その点、本作はしっかり背景となる「小説」を選んでます。

巻末の<主な登場作品>に上げられてるのはこんな感じ。

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本作は「なんとなくクリスタル」の発表翌年からの数年間がメインの舞台となりますから、その時代背景と、ヤングアダルトいうジャンルを考えると、かなり絶妙なんじゃないかと、個人的には思います。

それぞれの作品の取り上げ方も、単なるマクガフィンじゃなく、シッカリと踏み込んで作中に登場しています。

ここまで「小説」のことを考えながら「研究」するって…いや、ほんとやったことないっす。


ストーリー自体はちょっと古くさいかもしれません。

不良、ヤクザ、アイドル、そして小説。

この道具立てそのものが「80年代」臭くって、ある意味アナクロ。

「小説」や出版業界をめぐる環境なんかを考えると、「現代」では成立し得ない物語でもあるかな、と。


<「(前略)この先、小説はもっとつまらなくなるからね」

(中略)

「マンガにはもう追いつけない。ゲームにも水をあけられる一方だ。娯楽のチャンネルは増え続け、小説の存在感は減り続ける。さらに、別の要素も加わる。私の予測では、日本は間もなく未曾有の好景気に突入し、その後長く不況に苦しむはずだ」

(中略)

「(中略)経済が右肩さがりに転じたとたん、娯楽分野の規模は急激に縮小する。その中でもっとも割りを食うのが、小説だ。限られたパイの奪いあいでは、地味でとっつきにくい小説は、どうしたって不利になる。不況が慢性化したら、壊滅的なダメージを受ける。なりふり構わず売りあげを追い求め、話題性重視の、薄っぺらな、小説の名に値しない小説もどきが蔓延するようになり、関係者は全体の利益を考えて、そんな作品でも称揚せざるを得なくなる。さぞ息苦しいだろう」>


作中の「敵役(?)」の評論家のセリフ。

これがまあ、作者の「現状認識」なんでしょうね。

否定しきれません。


それでもこういう小説を小学生・中学生が読んで、

「面白い」

と言う。

「小説」って、「小説を読む」って何なんでしょうね。

そのフォーマットにこだわること自体に意味があるとは思えないんですが、なんだか不思議な想いはあります。


ただまあ、「純文学」と言われる分野に関しては、すでにマーケットとしてはマス・ビジネスの世界からは滑り落ちているようにも思います。

芥川賞とか直木賞とかですら、ドンドン、世間的には話題性すらなくなって来てるように見えます。

僕自身はそのことについては、

「止むなし」

と考えていますがね。

 

それでも「小説」がなくなることはないでしょう。

時代や環境に影響され、形を変えながらも、「文字で書かれたフィクション」が人を魅了し続けることは間違いないんじゃないか、と。

本書を読んだ後、感想を言う子供達の素振りにもそれを感じました。

 

…とは言え、「主な登場作品」の方にはまだ手を出そうとはしないんですけど、二人ともw。

新年に家電の入れ替え。

年末年始休暇、今年は帰省をしなかったので、比較的時間があります。

…で、気になってた家電関係の整備を。

 

まずはスピーカー接続用のBluetoothレシーバー。

BOSEとスマホを接続するのに使ってたんですが、前のはちょっと接続の具合が悪くなって、引越しの時に捨てたままになってたんですよね。

もうCDを出して来て聴くよりも、スマホ経由でストリーミングで音楽は聴くことが大半になってるんで、改めてレシーバーを購入。

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この機にオーディオ環境を替えることも頭を過ぎったんですが、今回は見送り。

まだ僕以外の家族は音楽を熱心に聞く感じじゃ(今のところは)ないですからね。

そこまでの投資は、ちょっと…。(このレシーバーは4000円)

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さすがにiPhoneのスピーカーから流すよりはチャンと聴けますw。

当面はコレでOK。

 

もう一つはプリンター&コピー。

7年ほど使ってるんですが、ちょっとデカイのが邪魔になってきたのと、少し印刷した時に歪みが出てくるのが気になってきたんで。

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いやぁ、サイズが小さくなった、なったw。

まあFAX機能を外したってのもあるんですが(FAXって、個人ではホント使わなくなりました。会社じゃまだ使ってますがね)、それにしても…。

随分と収納スペースがスッキリして、気分的にもスッキリ。

写真の印刷や、年賀状印刷にも優れた機能があるようですが、多分そっちはほとんど使わないw。

でもまあ、7年前に買った時よりも値段的にはだいぶ下がってますし(今回は4万円くらいでした)、潮時ではあったかな。


と言う訳で、ちょっと新年らしいことしたかな…って気分になってます。

今の時代の「パトレーバー」狙いかな?:読書録「ブルバスター01」

・ブルバスター 01

原作:中尾浩之

出版:KADOKAWA

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facebookで流れてた広告を見て、つい購入。

窪之内英策さん(ツルモク独身寮!)の絵にフラッと…w。


どうもアニメ化も狙ってるようですね、ここら辺を見ると。

http://www.bullbuster.jp/

色んな人材が集まって、あーでもないこーでもないと世界観を構築しつつ、マルチメディアの展開を狙うあたり、「パトレーバー」とか「マクロス」っぽいかな?

リアル路線という意味じゃ、「パトレーバー」

あちらのリアルは「組織」にありましたが、本作は「中小企業」ってところでしょうか?やたらに経費にこだわるあたりw。


1作目なんで「お披露目」って感じですが、ちょっと展開のテンポが遅いかも。このペースじゃ何冊になっちゃうの…って感じです。

世界観としては、「怪獣」を巡る設定が「?」。これだけのことを一地域の存念で隠蔽できるもんですかね?

ま、ここら辺は「裏」があるのかもしれないし、そっち方面に展開するのを期待もしたいですがね。


「次」に手を出すかは「微妙」?

アニメ化になるのなら、キャラが窪之内さんなら見るかも。

息子が手を出すようなので、読みたいなら続きに手を出してもいいかな。

「平成最後のお祭り」感はあったな。

昨日の紅白歌合戦。

後半はかなり個人的に盛り上がり。

 

特にこの流れ。

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MISIAの「つつみ込むように」にはがっつりハートを鷲掴みw。

 

石川さゆりの「天城越え」は布袋寅泰のギターとのマッチに驚かされ、

嵐の大トリは「知らんがな」でしたが、

やっぱりサザン

 

「希望の轍」

で「平成」から未来に橋渡しし、

そして、

「勝手にシンドバッド」

でお祭り騒ぎ!

 

持ってくユーミンをガッツリ迎え撃ち、

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レジェンド(サブちゃん)へのリスペクトも忘れない。

 

「暴走」(ダダ滑りw)も懸念しておりましたがw、天晴れな「締め」でございました。

 

まあ、

「平成ってのは、昭和を振り切れなかった時代やなぁ」

なんて思いもしましたが、演歌パートには昭和が去っていく後ろ姿も見えたように思います。

 

しかしコレ、今年はどうすんの?

 

…って、今から考えることでもないわなw。

 

 

2018年は色々あったわ〜。

多分、自分の人生的にも、結構な区切りの年でしたかね。

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個人的には2月の父の死。

4月に単身赴任解消で金沢転出。

で、大阪勤務開始。

 

仕事上では、冬の北陸大豪雪から、大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号の自然災害の連発。

 

公私ともに色々ありすぎてまだ整理し切れてませんが、振り返れば間違いなくエポックメイキングになる年だったのではないか、と。

 

…とか言って、まだ1月にも色々ありそ〜なんですよね〜。

喪中の正月を静かに過ごして、良い年が迎えられる様に、と願っています。

 

みなさんにも良いお年を!

地獄めぐりの物語:映画評「ボーダーライン」

続編も公開されてて、好評な様ですが、ようやく1作目を。

 

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「ボーダーライン」

 

メキシコの麻薬戦争のドロ沼に巻き込まれたFBI女性捜査官(エミリー・ブラント)。

何がなんやら分からん状況に振り回され、とんでもない暴力と理不尽の世界の中で、自分の価値観・正義感が役立たずであるコトを思い知らされます。

このヒロイン視点で物語は終盤まで展開。

 

まあでも、結局ヒロインは部外者/観光客。

「地獄」に住んでるのはベニチオ・デル・トロとジョシュ・ブローリンの方なんですよね。

特にデルトロはドップリで、だから終盤、ヒロインから視点が外れ、デルトロの視点になってから「地獄」が立ち上がる。

 

第2作にはエミリー・ブラントは出演してない様だけど、「地獄」の物語にツーリストは不要ってことなんでしょうね。

3作目に地獄の住人として再登場ってのも、チョット期待しちゃいますがw。

 

いやぁ、しかしデルトロ、ええっすなぁ。

ヒロインにチョット見せる優しい素振りに、彼の過去にある哀しさが滲み出るようで、それでいての非情な行動。

原題の「SICARIO」は「暗殺者」の意で、デルトロを指しています。

そう言う意味じゃ、2作目の方が題名にマッチしてるかも、ですな。

食わず嫌いせずにサッサと本作を観て(ココまでエンタメとして面白いと思ってなかったんで)、公開で観とくべきやったなぁ。

 

ネットに落ちてくるのが楽しみです。