鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

かなり「力技」ですなぁ:映画評「パレード」

「新聞記者」「余命10年」の藤井道人監督・脚本によるNetflixオリジナル映画。
東日本大震災を背景にした設定になっており、なかなかの意欲作です。

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新聞記者・美奈子は気がつくと海岸で横たわっていた。
街は瓦礫の山と化しており、彼女は息子の行方を探し歩く。
不可解な様子に戸惑う中、遊園地で住む人々と出会い、彼女は自分が死んでいることを知る。
現世に何か心残りのある死者が、その世界に集っていると言うのだ…

 

 

もちろん主人公は自分の息子の行方を探すわけですが、集ったそれぞれの「心残り」も語られ、それぞれの人生の断片が錯綜する作りになっています。
そのうちの1人、リリー・フランキー演じる人物は映画プロデューサーで、その流れで集った人々で映画を撮ろうと言う話になり、
途中から仲間になる自殺した少女(森七奈)は映画的な才能を見せ…
ってあたり、物語のトーンが変わってきます。

このノリに乗れるかどうかっていうのが大きいでしょうね。
僕はちょっと微妙な感じでした。

 

全体的に絵のトーンはよく出来ていて、カメラはホント素晴らしい。
見てて惹きつけられるショットも少なからずあって、作品全体の印象はすごく良いんですけどね〜。
なんかそれで設定や脚本の粗さを強引にねじ伏せた感じも…w。
エピローグでさらにそれを強引に引っ張ったと言うか、なんと言うか。
いや、そう言うのも嫌いじゃぁないんだけどさ。
田中哲司はいい仕事してます。


悪くはないですよ。
好きな人は好きだと思います。
僕個人としては、もうちょい脚本を練って欲しいってとこ。
面白くは見させてもらったんですけどね。