鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「救世主ネオの物語」としては蛇足。「自由を勝ち取る物語」としてはアップデートしている:映画評「マトリックス レザレクションズ」

目にする評判的には「今ひとつ」って感じ?

「蛇足」評もよく聞きます。

でも僕は「悪くない」と思いました。

f:id:aso4045:20220502121201j:image

 

まあ「マトリックス」をはじめて見た時の新鮮な驚きには及びませんけどね。

ただそれは2作目(リローデッド)・3作目(レボリューションズ)にも言えることでした。

評価のポイントとしては3部作で完結した「救世主ネオ」の物語を、再起動させる必要があったか…ってことでしょう。

その点については「必要はなかった=蛇足」と捉えられても仕方がないと思います。

 


本作の意義は「ネオの物語」の続きを描くところではなくて、「自由とは何か」「自由のための戦いとは何か」を深掘りしたところではないでしょうか?

 


あらゆる「枷」を否定し、「自分」が「自分」としてあることを求める。

その「枷」の中には、役割、ジェンダー、年齢、人種、「家族」さえも含まれます。

「トリニティー」の物語として提示されるそのテーマは、「トランスジェンダー」として、性別適合手術まで行った監督(ラナ・ウォシャウスキー)の経験を踏まえて、一歩踏み込んだものになってるんじゃないかと思います。

その「踏み込み」をどう捉えるかは、意見が分かれるところでもあるでしょう。

その分、本作が「万人ウケ」しない可能性はあると思います。

(トリニティーが「家族」を選択するかしないか…といったあたりとか。もっともココはもう少し突っ込んで描いてもよかったかも、と思わなくはないです。

ま、そうしたら単なる「不倫もの」に見えちゃったかな)

 


僕自身、「悪くない」と思いつつ、ここまで「自由」を追求するかどうかと言われると、躊躇するものはあります。

まあ、3部作時点でも、「マトリックスに残っててもいいんちゃう?」と思ってたりもしてたんですがw。

一方でその結果、本作はラストで「世界は意志で変えうる」と言うメッセージを強く打ち出しています。

「自由」を求めることによって、「世界」を変えていく。

そのポジティブな強さは必要なことなのかもしれないな…とも感じたりしますね。

ウクライナのことなんか考えたりすると。

 


さらなる「続編」はありえるか?

…まあ、順当に言えば「ない」でしょうが、3部作でもそう思いましたからねぇw。

「ないとは思うけど、先のことはわからない」

そんなところかな。

f:id:aso4045:20220502121228j:image

 


#映画感想文

#マトリックス

#レザレクションズ