「9/11」当日、アメリカ政権中枢部の人々がどういう状況にあり、何を考えていたのかを追うApple TVのオリジナル・ドキュメンタリー。
ブッシュ、チェイニー、ライス、パウエルといった政権トップの面々に加え、スタッフたち、メディアの人間等がインタビューに応え、当時の映像や写真を交えながら、当日を朝から振り返るスタイルとなっています。
ワールドトレードセンターに飛行機が突入してからの緊迫感のある時間が、ヒリヒリとする感じで伝わってきます。
しかしまあ、こういう状況にありながらも、同行している誰かは写真を撮り続けてたんですね。
それは「<何があったか>を、いずれは公表する」ということが前提になっているから。
その徹底ぶりが中々凄いです。
東日本大震災の時に「何があったのか」をドキュメンタリーで追いかけるとして、ここまであからさまなものを作るのは、日本じゃ無理じゃないかと思いますから。
当時の映像、写真、今のインタビュー。
そこには「批判的」なものも、「迎合的」なものもありません。
そういう意味ではドキュメンタリーとしての「物語」は極めて抑えられた作りになっています。
でもこうやって追いかけていく中で見えてくるもの、感じられるものは何某かあるんですよね。
その果てに20年のアフガン戦争の惨憺たる結果があると思えば尚更に。
911。
当時、飲み会から帰ったところに掛かってきた母からの電話でニュースを見て、WTCに突っ込む飛行機を見て、呆然としたことを思い出します。
全く関係がなかったわけでもなく、そこから数週間は現地のメンバーとのやりとりに追われたことも記憶の中にはあります。
崩れ去るビルの、今更ながらの衝撃的な映像に、そのことを思い出しました。
アフガン戦争が終結した「今」、その原点を確認する意味においても、見るに値するドキュメンタリーだと思いますよ。
(それが「一面」でしかないことも確かではありますが)
#9/11
#AppleTV