鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

やっぱ黒澤とのコンビは圧倒的:映画評「MIFUNE」

iTunesの新作に並んでるのを見かけて、ついレンタル。

海外向けか、冒頭に時代劇(チャンバラ)に関する「解説」があって、そのあと三船敏郎の人生を、生まれてから死ぬまで追う構成になってます。

 

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「MIFUNE The Last Samurai」


でもやっぱりメインは黒澤作品であり、黒澤明との関係。

戦争で虚無を見た三船と、戦争協力への反省から反権力と個人の生命力への尊重を胸にした黒澤…と言う構図を設定して、

野性味と生命力溢れる三船の姿と、それを活かすための演出をする黒澤との関係に焦点が当てられてます。

(ラストは黒澤から三船への弔辞だし!)


三船も黒澤もそれだけじゃない!


…とは思うものの、次々と流される2人のコラボ作品の圧倒的な画面の力に、やはり息を飲まずにはいられません。

蜘蛛巣城のラストとかなぁ、もう…。


正直言うと、晩年の枯れた三船敏郎の演技を見てみたかったって言う気もします。

もちろん黒澤演出で。

でも一方で、この素晴らしい作品たちを見ていると、これはこれでよかったのかもしれないと思ったりも…。


まぁ、黒澤作品の三船敏郎を見てない人が見ても面白い作品じゃないでしょうねw。

でも見たことがある人なら、もう一度、三船/黒澤作品を見たくなること、間違いなし。


ああ、こんな高みを見たことがありながら、どうして日本映画は…

ってのは、言いっこなし…なんでしょうね。

 

PS  ドキュメンタリーとしては、スピルバーグやスコセッシのインタビューがあるのは嬉しい一方、やっぱ仲代達矢の声も拾って欲しかったな〜と。