歌舞伎のネット配信「歌舞伎オンデマンド」がスタート。
その一発目にコチラがありましたので…
まあ、ネット配信がなかったら観ることはなかったでしょうね。
そもそもチケット争奪戦に勝ち残れる気もしないし、昼夜通し(上演は7時間くらい。休憩を除いても6時間強)の体力の自信もないし…。
今回、通しのチケットを購入したものの、見通せるかどうかについては、あんまり自信なかったんです。
事前にYouTubeにアップされてる動画なんか観ると、ちょっと「違うかなぁ」って感じもしたってのもあります。
「話題にはなったし、飛び飛びでもいいから、ザッとでも観ておけたら」
金曜日の行きの通勤電車でちょっとした確認のつもりで見始めて…
…結局、金・土の二日間で見通しちゃいました。
しかも歌舞伎だけじゃなくて、原作のコミックの方を十数年ぶりに読み直し、歌舞伎の配信に合わせてストリーミング配信された鈴木プロデューサーの対談まで併せて見ちゃうという。「ナウシカ三昧」の週末w。
面白かったんですよ、これが。
予想以上に。
「風の谷のナウシカ」という作品の持つ「力」ってのが、改めて確認できたというか、ここにきて違う重みを持ってガツンと来ちゃったというか…。
いまだに見終えて、色々考えさせられています。
しばらく尾を引きそうなくらい…。
(最近、歴史書を続けて読んでる…ってのも影響してるんですよね。多分)
「歌舞伎」についていえば、まずは「美術」が圧倒的。
これはもう、感嘆するしかありません。
ちょんまげ上下の口上に、
「いやぁ、やっぱり無理かぁ」
と思った直後に、一気に美術の迫力で「腐海」の世界に引き込まれました。
キャラクターとしては中村七之助の「クシャナ」がグッときます。
尾上菊之助の「ナウシカ」ももちろんイイんですが、個人的にはちょっと「女性性」が強すぎた印象も。(ナウシカ自身には「母性」の特徴もあるので、この解釈が間違ってるとは思いませんが)
昼の部についてはエンターテインメントとしても、あの壮大なドラマを良く舞台化できてると思います。
アニメにもなっていない原作後半パートの夜の部。
まあ、難しいのは確か。
思索と対話が繰り返されながら、前半以上のスケールの大きなアクション・スペクタクルの連続になりますからね。
なんせメインキャラの1人が「巨神兵」w。
コチラの方は、「がんばったけど、原作をカバーしきれず」ってのが正直なところかなぁ。
頑張ってるし、その意図も十分に分かるんですけど…。
しかしこれはもう仕方がないというか…。
でも改めて舞台を見て、「これを映像化してほしいな」と思いましたよ。
宮崎さんがやるのは無理でしょう。
庵野さんでもいいし、Netflixでもいいし、実写でもOK。
ちょっと前なら「ありえん」だけど、鈴木さんの話を聞いてると、「絶対ありえん…ってことも無くなってきたか?」…とも。
可能性が小さいのは確かですがw。
今後、この舞台が「古典」になって行くかどうかについては、なんとも言えません。
全体のストーリーから切り離して1幕だけを見せる…って感じでもないですしね。
昼の部だけなら…ってのはアリかもしれませんが、それじゃ「アニメの舞台化」だもんなぁ。
ここは気合を入れて、後半をさらにブラッシュアップ…ってのに期待したいところです。
「巨神兵」にもバリバリ動いてもらわんと!