鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

子供向けじゃないかも。「竹取物語」まんまですが。:映画評「かぐや姫の物語」

子供たちは乗り気じゃなかったんですが、親の方が観たくて、無理矢理つきあわせました。
「竹取物語」ですからね。
「風立ちぬ」よりは分かるだろう…と。
結果は、「うーん」…




「かぐや姫の物語」



物語は「竹取物語」なんですよ。
アウトラインはほぼマンマです。
でもそこに込められたものが一筋縄では行かない。



幸福な生き方とは?



「おもいでぽろぽろ」にも通じるテーマですね。
事前予想以上に、二つの作品の重なりは感じます。(「ナウシカ」と「もののけ姫」みたいな感じ?)



でもそれだけじゃなくて、



親が考える子供の幸せ
子供の自立
時代における女性への制約
身分差別
「ホンモノ」と「ニセモノ」
時間の不可逆さ
etc,etc



これだけじゃなくて、色んなことがこの物語の中には込められているんだと思います。
それでいて物語は「竹取物語」の枠組みに入ってるという…
確かにスゴい人です。高畑勲。



絵も素晴らしいです。
この技術が日本アニメーションに受け入れられるのかってのはありますが、自負するだけのことはあるかと。
そこでの表現力もねぇ。
前半の「竹の子」の赤ん坊から幼児にかけての表現は、見てて幸せな気分になるくらいの水準でした。
(この前半が本作のキモだと思うけど、見事にそこは表現できてます)



ヒットするか?
うーん、難しいかなぁ。
最大のネックは「長さ」。
子供向けにコレで二時間半はキツイ。
「風立ちぬ」のヒット分は、こっちで吐き出しちゃうかも。
でも本作がかなりのモノであるのは確かなんじゃないかと、僕は思います。
好みは分かれますがw。