・ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。
著者:幡野広志
出版:ポプラ社
noteで古賀史健さんが紹介してて、衝動的にポチッた作品。
作者の方が写真家「らしい」くらいの知識しかなくて、読み始める前には何となく「メメント・モリ」(藤原新也)っぽいものを印象してたんですが、
…違ってましたw。
「そう言えば、ガンになって、余命何年か…」
と途中で思い出して、じゃあ「病気もの」かと思ったんですが、
…全然違いました。
「余命3年」
そこから、
「何を自分は選択すべきか」
そこを突き詰めた作品…かな?
ただ自分で考えるだけでなく、同じような境遇の方達への取材を重ね、その過程で自分自身に問いかけ、辿り着いた「今現在の」結論。
「人間関係」、特に「家族」に関して、思いと考えが重ねられています。
僕自身は同意できることもあれば、違和感も感じることも。
ただ残された時間を目の前に、「何を選択するのか」と言う問いかけには考えさせられるものがあります。
僕の「今の立ち位置」は、「今の僕」のもの。
過去の経験や今の状況が変われば、当然その優先順位は変わるでしょう。
幡野さんの「今」における「選択」(とその背景)には、幡野さんなりの「重さ」があるし、その真摯さは僕の「立ち位置」に如何ほどの「選択」の覚悟があるかを考えさせられます。
読んで、感想をどうこう言う本じゃないかな。
「自分はどうか」
それを自らに問いかける作品です。