・スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか
著者:池谷孝司
出版:幻冬舎文庫
「まちの本屋」で、さわや書店フェザン店長・松本大介さんが退職前に仕掛けた最後の本として紹介されてた作品。
帯に松本さんの強い問題意識と意欲が表れています。
本書は、共同通信の記者が取材した中から、3件の事例を取り上げ、こうした問題に取り組んでいる団体(スクール・セクシャル・ハラスメント防止全国ネットワーク)の設立経緯や取り組み、新聞連載後に明らかになった事例を紹介…という構成となっています。
いやぁ、過去振り返って、この10年で最も不快な読書体験でした。(過去一番かも)
でも子供を持ってる人は一読しておくべき本でもあります。
学校の現状がどう言う状況で、どう言うリスクと限界が潜在しているのか。
何かが起きた時、どう言う事態が想定されるのか。
不快だけれども知っておくべきことです。
自分自身を振り返っても、もっと子供達の様子や学校サイドの対応力なんかを、センシティブに見ておく必要があるなぁ…と。
何か事件があると、
「先生が…」「学校が…」「教育委員会が…」
ってなるし、それはそれで当然なんだけど、その前の<予兆>を如何に逃さないようにして、自分の子供を守るのか。
それが如何に難しいかも、本書では指摘されてるんですがね。
(個人的にはSNSが状況を変えてくる面もあるとは思ってます。
まあ、良くも悪くも…です)
「あとがき」に書かれてるような対策は是非ともやって欲しいです。
・早い段階からの第三者委員会による調査
・文科省に教師のわいせつ事件防止についての検討会議の設置
・小中学校でのスクールセクハラに関するカンケーとの実施
・教員養成課程や新任研修、監視力研修でのスクールセクハラに関する学習の義務化
やれん様なもんじゃ全然ないでしょう。
<いじめ対策法改正が暗礁に 超党派議員の試案に被害者ら反発「大人の都合より子供の命を」>
https://www.sankei.com/life/news/190509/lif1905090032-n1.html
ま、こんな動きには凹みますが…。
子供を持つ人、教育者は、不快な思いを押さえつつも、是非一読を。