・それまでの明日
著者:原尞
出版:早川書房
14年ぶりのシリーズ最新作。
…ということで、発売と同時に購入したんですが(去年の3月かな!)、そのまま積読。
「このミス」で1位になったのを知って、
「そう言や…」
と取り出して、ようやく読みました。
読み終えての第一印象。
「こんなに読みやすかったっけ?」
積読になってた遠因の一つは「読むのにチョット<努力>が要る」って印象だったんですが、読み始めたら、サラ~っと最後まで読めちゃいました。
僕の思い違い?
それとも原さんの語り口が上達したのかしらん?
ストーリーの方は、「まあこんな感じ?」ってとこ。
メインの事件の方は割とストレート。トリックも当てがつきました。
サイドの方(と言っても、心情的にはコッチがメインだったりするw)は、チョット無理筋もあったかな?若者の「動機」の方は特に。
ただまあ、ハードボイルドの場合、ストーリーは添えモンとも言っても過言ではないので。(過言だってw)
主人公の信条、一癖あるキャラ達との関係(特にヤクザと警官w)、一貫して主人公が纏う孤独の影…
こう言うのは本作でも堪能できます。
これはまあ、サスガです。
そして今までのシリーズとは一線を画するラスト。
この<非情な>幕切れで本作がしまってもイイけど、チョット続編を期待させるヒキでもある。
続編があるなら、是非読みたいけど、14年も待たされるのは勘弁…かなw。
デビューからシリーズを読み続けて来た読者としては満足の新作。
でも、コレが「1位」ってのはどうかな~。
国内ミステリーをそんなに読んでないんで、
「じゃあ、ドレ?」
って言われると困りますが、チョット違和感がありました。
自分は楽しんだんだから余計なことですがねw。