・日本進化論
著者:落合陽一
出版:SB新書
正直言って、「落合陽一」本はもういいかなと思ってたんですけれどもw、書店でパラパラ見たら結構面白そうだったので、つい購入してしまいました。
ベースなってるのは夏にニコニコ動画でやった「平成最後の夏期講習」と言うイベントのようです。
イベントの中心になったのは落合さんのようですが、すべて落合さんが仕切るわけではなく、いろいろなメンバーが各テーマについて論じています。
落合さんがコメントしてる通り、それぞれの内容や結論については落合さんとは違う視点もあるようです。ここら辺が本書の分かりやすさであり、良いところじゃないかなぁ、と。
まぁ、とは言っても「落合色」が強いのは間違いないですけどね。
取り上げられているテーマは6つ。
第1章「働く」ことへの価値観を変えよう
第2章 超高齢社会をテクノロジーで解決する
第3章 孤立化した子育てから脱却するために
第4章 今の教育は、生きていくために大事なことを教えているか?
第5章 本当に日本の財源は足りないのか
第6章 人生100年時代の「スポーツ」の役割とは?
テーマの掲げ方としては、結構いい感じなんじゃないかと思います。
これらについて
「今までの分野の課題」「今後の分野の課題」について洗い出した上で、政策的な側面および技術的な側面から問題解決の方向性を考え、それを踏まえて「その分野の未来ビジョン」を描き出す
と言うのが、このイベントの大きな方向性だったようです。(政策と技術で…ってのが「ポリテック」です)
そういう意味では、新書1冊で全体をカバーすると言うのはどうしても浅くなってしまいますが、課題抽出のためのデータの提示等、なかなか参考になるんじゃないかなぁと個人的には思いました。
僕個人としては小泉進次郎氏と落合さんが打ち出している「ポリテック」と言う考え方は、今後すごく重要だと思っていますからね。
(国会改革なんかを見ていると、スピード感と言う点では悩ましいものがあるな~とも思っていますが)
http://aso4045.hatenablog.com/entry/2018/11/02/212416
全体的に見て、改革の方向性というのは結構具体的なところも含めて「見えてる」があるなぁと思います。
一方で、これはなかなか悩ましいと思うのが、「シルバー民主主義」。
改革の方向性はあるけれど、それを潰す強い環境や勢力もあって、それがシルバー民主主義によって強い抵抗勢力になる。
<ポリテックを推進していくためには、日本全体にはびこる閉塞的で後進的なマインドセットを変えていく必要があります。前時代的なマインドセットから抜け出せない人たちは、変化を起こせるだけの力を持っていたとしても、時流に沿って自らの基準で判断できず、行動を起こせません。>
僕自身は、子供たちのことも考えて、ポリテックは強力に推進していくべきだと思っていますが、それでもまあ、前時代的なマインドセットにとらわれている事は間違いないでしょうねw。
政党で言うと、もちろん自民党もかなりまずいんですけれども、野党のほうもどうかなぁと思わざるをえません。(それがまぁ、「シルバー民主主義」の表れでもあるとも言えるんですが。でもこれって、今後一層強くなりますからね)
1番腹立たしいのはそういう環境。
小泉進次郎がんばれ。
そう言わざるを得ないっていうのも…。
(色々なところでシルバー民主主義は既得権益とつながってくるけれども、今後1番問題になるのは自治体におけるコンパクトシティに向けたインフラの縮小じゃないかと思っています。
個人的には、水道の民主化なんかも、こういう方向につながってくんじゃないかなぁと睨んでるんですけどね。)