・ねじの回転
著者:ヘンリー・ジェイムズ 訳:土屋政雄
出版:光文社古典新訳文庫
息子の夏休み宿題(英語のreading)でこの作品が指定されていました。
まあ、今日現在、息子も読了してないんですが(大丈夫かいな)。
僕もちょっと目を通したんですが、英語力が足りなくて、「?」。
で、翻訳で読んでみよ~かな~、と。(親のアンチョコとしてw)
この翻訳で約230ページ。
「中編」ですかね。
宿題の本はそこまで厚くなかったんで(40ページ弱)、「原文と翻訳だとここまで差があんのかな?」と思ったんですが、宿題の方は「retold版」だったんですな。
もちろん「読みやすく」ってのもあるんでしょうが、同時に内容的にも<修正>を入れてるのかもしれません。
コレ、幽霊譚としてよりも、心理小説・トラウマ小説として「怖い」話ですもん。
古い小説ですからね。(発表は1898年)
「読みづらいかなぁ」
と思ってたんですが、いやコレが面白い。
中盤の仄めかしの畳み掛けには参りましたがw、終盤は怒涛の展開。
通勤の行き帰りで一気に読んじゃいました。
でもこの「面白さ」。
「ワクワク」じゃなくて、「イヤイヤ、どうなん?」。
数十年前に書かれた女性の日記を、他の人が披露すると言うスタイル。つまりは<信頼できない語り手>の物語なんですよね。
だから「何が語られてるか」ではなくて、「何が語られてないか」が無性に気になり、そこに振り回されて、物語られることの二重性に「怖さ」を感じる…と言う。
(幽霊は本当に…?)
まあ、ラストまで読んでも、
「え?で、どうなん?」
って感じにはなっちゃうんですけどね~w。
(仄めかしの大半はセクシャルなもので、最後まで直接的に語られないってのが一番の要因です)
本作は何度か映像化もされてるようです。
一番はこちらでしょうか?
<回転>
「前日譚」のコッチも興味深い。(ぶっちゃけすぎな気もしますが)
<妖精たちの森>
https://hm-hm.net/suspense/%E5%A6%96%E7%B2%BE%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AE%E6%A3%AE
さて、宿題が終わったら、コレを息子に渡すかな?
…う~ん、なんか親が子供に渡す小説じゃないような気もするな~。
そもそも中2の宿題に、これってどうなん?