鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「夏」やね〜。:映画評「真夏の方程式」

原作は読んだんだけど、映画の方は、少なくとも映画館に観に行くつもりはなかったんですがね。
それがふとその気になったのは宇多丸氏の映画評(「ムービーウォッチメン」)。
結構誉めてたんですよね、これが。
で、家族が帰省してポッカリ開いた時間に、丁度開演時間がハマったもので、ついw。
でも観た甲斐はあったかな。
二時間を越える作品なんだけど、楽しめました。




「真夏の方程式」



とにかく映像がいい。
水中撮影のシーンは抜群に美しいんですが、それ以外にもバシバシはまるシーンがあります。
北野組の撮影監督がついてるらしいんですが、「さすが」としか言い様がないです。(水中撮影は中村征夫氏。そりゃね)
ロケットペットボトルの打ち上げシーンの爽快感は「夏やね〜」って感じ。
こういう「夏」の気配満載の映画、僕は弱いですw。(昔の「転校生」とか)



演技陣も、福山雅治を含め、抑えた演技で作品の情感を高め、「地味な話」wを盛り上げます。
原作にはなかった「父」と「ガリレオ」の対決。
原作では「描かない」ことで「深み」を感じさせていましたが、映画的にはこれが大正解でしょう。
この「父の秘密」こそが本作の核。
前田吟。
おいしい!(ちょっと「父親」として肩入れしすぎかもw)



まあ「地味な話」なのは間違いないんで、「スリル満点」とは行きませんし、「容疑者Xの献身」ほどの「おお!」って感じもありません。
事件の動機も経緯も、よくよく考えれば、「それってどうよ」とも言える。
それでも「少年の夏」を、本作は見事に切り取っていると思います。
その映画的な快感で僕は「OK」ですね。