鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

良質なものが損なわれてしまったものを観るのは切ない。

僕がこのシリーズを最初に観たのは映画第一作。
思いのほか面白かったのでレンタルでテレビシリーズを見て、ナカナカ面白いところに目を付けていると感心させられました。

「踊る大捜査線THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」


その後公開された「2」を観て、「?」って感じになり、スピンオフ作品はパス。
で、本作で久しぶりにこのシリーズに再会した訳です。


まあ、ぶっちゃけ本作の出来の悪さの評判は聞いてましたけどね。
あんまり悪い評判を聞くもんだから、逆に観てみたくなったというかw。
でも結果的には「評判通り」でしたねぇ。残念ながら。


色々なエピソードが錯綜するのはこのシリーズの特徴だからいいとして、作品全体を通じてのドラマの推進力。
これがないのが本作の決定的な欠点だと思います。
バラバラのエピソードや、それらに関わるキャラクター達がテンでバラバラ。
こういう形式の作品だと物語が進むにつれてエピソードやキャラクター達に連関が出てきて、それが作品の推進力となってドラマを盛り上げるはずなんですが・・・
そういうところが全然ないんですよね、コレ。
少なくともテレビシリーズや映画第一作にはそういうところがあったと思うんですが・・・。


本シリーズの場合、そのキーは「青島/室井」の関係にあるんでしょうね。
少なくとも映画第一作はそうでした。
それがその後見られなくなったのは、一説には俳優同士の不仲とも聞きますが・・・
そりゃ本末転倒な話でしょう。
プロならそんな個人的な関係を優先すべきじゃないし、それを製作者側が慮ったのだとしたら、本作は作るべきではなかった・・・ということじゃない?


「踊る大捜査線」が日本映画に与えた影響については色々言われています。
まあいい面もあれば、悪い面もあるでしょう。
でも作品の質と言う本質的なところが損なわれてしまうのであれば、結果的には評価に値しないということになっちゃうんじゃないですかね。


実に残念な気分にさせられた映画でした。
3アミーゴのふざけっぷりも、楽しめないどころか、不快なばっかりだったしなぁ。