鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

エディはイングランドチームも追い込んでるんかね?:映画評「ブライトン ミラクル」

AppleTVの新作ラインアップを眺めてて見つけた作品。

前回大会(2015年)での南アを破った世紀の番狂わせの一戦に向けて、エディ・ジョーンズが何をし、選手たちがどう応えたかを描いた作品。

 

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ブライトンミラクル

 


実話に基づく映画化…なんですが、エディ、リーチ・マイケル、廣瀬俊朗、五郎丸歩ら、当人のインタビューも交えて構成されていて、半ドキュメンタリーのような作品です。

エディのほとんどチーム崩壊寸前まで追い込んだハードワークは有名ですが、それに加えてエディの個人的な背景や、新キャプテン(今回のWCでもキャプテンしてますね)リーチ。マイケルの成長なども描かれています。

 


南ア戦のラスト。

キックで同点を指示するエディ。

自らの選択でスクラムを選ぶリーチ。

この「選択」こそがエディの指導の結実であり、それを受けての選手たちの成長であったと言う…。

 

ま、エディは「むかついた」と言ってますがw。

 

 

映画としての出来はどうかわかんないけど、熱くなるのは確かですわ。

今回のWCでの日本チームの戦いを思い返すと尚更に。

 

 

さて、土曜日は決勝。

95年に145−17という屈辱的な敗北を日本にもたらしたニュージーランドを退けたエディ・ジョーンズ率いるイングランド。

今大会では底力を見せつけ、日本につけ入れる隙を見せてくれなかった南アフリカ。

エディ・ジョーンズを中心に見ると、何やら因縁めくような構図でもありますが、やるのは選手たちですからね。

楽しみ楽しみ。


その露払いとして、本作は最適ではないかと。

世界は続く:ドラマ「コミンスキー・メソッド season2」

待望のシーズン2。

金曜日に一挙公開になったんですが、「Modern Love」を観た後、土・日で7話、月曜の通勤途上で最終話を観ました。

もうちょいユックリ観るつもりだったんですけど、見始めたら止まらなくてw。

 

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コミンスキー・メソッド シーズン2

 


個人的にはシーズン1より笑いました。

アラン・アーキンの辛辣ぶりがもう…w。

大半のネタが「老人ネタ」なんで、こう言うので笑っちゃう自分も…ではあるんですが、笑えるんだから仕方がない。

そう言う歳になってるってことですな。

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マイケル・ダグラスも、アラン・アーキンも、悲喜交々ドタバタと日々を過ごして行き、観ている側からすればニヤニヤから爆笑まで絶えないんですが、確実に「老い」は二人を追いかけている。

だから最終話の着地点がチョット寂しい感じになったのも、まあ分からなくはないかな。

彼ら(僕ら)が去っても、この世界は続いて行くのだから。

 


とは言え、是非「シーズン3」を作ってもらって、まだまだ「足掻き」を見せて欲しいですね。

このままフェードアウトじゃなくてさ。

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世界観の余韻:読書録「祝祭と予感」

・祝祭と予感

著者:恩田陸

出版:幻冬舎(Kindle版)

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映画(蜜蜂と遠雷)の余韻の中、

「原作を読み返すか」

とも思ったんですが、ちと長いw。

で、(多分映画の公開に合わせて出版された)このスピンオフ短編集を。


時間軸的には本編の前後のエピソード、全部で6編収められています。

作品として閉じられた物語ではないので、その作品世界がこういう感じで広がっているというのは割と自然に読めるし、楽しくもあります。


個人的に1番好きなのは、ヒロインの友人を主人公にした「鈴蘭と階段」かな?

「音楽」の持つデモーイッシュな面が描かれた短編です。

こう言うのが本編にも映画にもあって、それが読ませる/観させる要素にもなってると思うんですよね。


本編・映画を楽しんだ人には、作品世界の余韻を楽しめる短編集。

読んで/観てない方は、是非本編からw。

新しい才能だと思う:映画評「蜜蜂と遠雷」

原作は読んでて、面白いとは思ってたんですが、それだけに映画化は「どうかな〜」と。

「四月は君の嘘」の惨劇もありますし…。


しかしこの宇多丸さんの「激賞」を聞いて、「これは観るべきか」と。


<宇多丸、「蜜蜂と遠雷」を語る!>

https://www.tbsradio.jp/419044

 

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蜜蜂と遠雷

 

 

まあ、宇多丸さんの評の通り。

これはナカナカのモンです。

原作とは別物。

でも原作の精神はしっかりと反映している。


物語としては長い原作を大胆にカットし、コンペのみに焦点を当てたのがお見事。

しかも多くは語らず、「演奏」と「表情」で物語を展開すると言う、非常に冒険的な構成・演出をしています。

それでいてチャンと「エンタメ」になってるのが、また凄いんですよ。


「再起」そして「飛躍」


冒頭、なんかボーッとした表情の松岡茉優が、明るく魅力的な人物として「再生」し、ラスト、勁さと神々しさと、ある種の怖れさえも感じさせるようになる。

四人の演奏者、それぞれの物語と、それぞれの成長があり、でもやっぱりこの物語は彼女のものだったのだと言うことが、ラストの演奏から強く感じられます。

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日本映画にありがちな「説明的」な台詞はほとんどなく(そこら辺は松坂桃李が担ってます。好演)、そもそもセリフがかなり少ない作品なんですが、それでも終盤に入ると、

「このセリフ、いらないんじゃ…」

とさえ思わせられます。


斎藤由貴のヒロイン評

ヒロインの少女時代の母親のセリフ


セリフを落として映像だけでも、十二分に伝わるものがあるのでは、と。

それだけ、映像と演奏の「力」が突出してる作品だと思います。

監督は<自分の中では、この映画は「2時間のコンチェルト(協奏曲)」。>と言ってますが(パンフのインタビュー)、「まさに」、です。

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「ジョーカー」「Yesterday」と来て、本作。

ここんとこ映画は「アタリ」が続いてるなぁ。

 

感傷ではなく…:ドラマ「Modern Love」

prime videoのオリジナル・ドラマ。

1話30分前後で全8話。

この長さが丁度いい感じなのはNetflixの「コミンスキー・メソッド」で実感してたので、通勤時間にでも見ようかと、DLして…


これが無茶苦茶、良かったんですよ!

いや、ビックリ!

 

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Modern Love〜今日もNYの街角で〜

 

NYを舞台にした、短編ということで、アーウィン・ショーの短編のようなものを予想してたんですが(「夏服を着た女たち」、大好きです)、ショーの短編が「男女の恋愛」を描き、その底音には常に「別れ」を想わせる感傷が感じられるのに対して(それがいいんですが)、本作の「LOVE」は「男女の恋愛」というよりは「愛」。

そしてどの作品も見終わった後、どこか温かい気持ちになると同時に、前向きな気分が残ります。

最終話(8話)を観ると、製作者たちがそのことに意識的なのは明らかですね。


で、途中で気づいたんですけど、このドラマ、「ジョン・カーニー」が総監督なんですよ!(脚本・監督もやってます)

「はじまりのうた」の‼︎


いやぁ、道理で。

無茶苦茶オープニングがエエもんw。


https://youtu.be/sG-iLOAWJvM


「音楽」の扱いは(映画に比べると)控えめだけど、どれもセンスがいい。

見つけたサントラは、現在ヘビロテ中ですw。

 

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https://open.spotify.com/album/0pmmdB2cBGwrExnk7vKhY0?si=opzO7kz8QrmZbiQVz-jJvA

 

役者たちは、

「見たことはあるけど、名前がサッと出てくない」

ってくらいのチョイス。(僕の記憶力の問題もあるけど)

スッと名前が出てきたのは、アン・ハサウェイとアンディ・ガルシアくらいかな?

あ、無駄遣いのエド・シーランもw。

でも間違いなく全員が演技達者で、それが本作の微妙な味わいをさせてくれてます。

 

「30分」ってのが肝ですね。

これが「2時間」の映画だと、ちょっと作り物めいてくる。

「30分」だから、ストンとこちらの胸に落ちてくるんだと思います。

 


「シーズン1」なんで、続編もあるかな?

焦らず、良質な作品を作って欲しいです。

「1話30分」で。

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オッサンも楽しみました:ライブ「向井太一ONE MAN TOUR 2019-SAVAGE-」

さて、どこで「向井太一」を知ったのか?

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まあSpotifyがApple Musicのレコメンドが最初でしょうね。

「新曲」か、「シティポップ」流れか。

「ん?」

と思ったのは多分コレが最初。


<空>

https://youtu.be/MesuBQZf

 

「こりゃ、好みやな」

と思ったのは、一つ前のアルバム「PURE」。

コレは秀作揃いですが、個人的に一番聴いたのはこの曲かな。

 

<Siren>

https://youtu.be/vr28xrPUxko


で、意識して遡って、アルバムを聴きました。

 

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今回は先日発表されたい3rdアルバム「SAVAGE」を踏まえてのツアー。

「なんばHatch」だったんですが、この規模のライブは今回のツアーからのようです。


まあねぇ。 

オッサンが行くのもどうかなぁ、とは思ったんですよ。

女性ファン、多そうやし。(「今回は男性観客も増えてて嬉しい」ってMCがありました)


ただ丁度ヘビーローテしてるトコにコンサート情報が入って、先行抽選入れたら、当たったと言う…。

じゃあ、行かなきゃ。


良かったですよ。

なんか謙虚なワカモンっちゅう感じのライブでした。

でもとにかく歌が抜群に上手い。

もう圧倒。


曲に関しては、

「引き出しが多いな〜」

と前々から思ってたんですが、アンコールのMCではそのことに関してもチョット「悩み」みたいなコメントもあって。

よう分かってるってのもあるな〜。


立ちっぱで踊ったりジャンプしたりする自信はないんで、2階の指定席にしたんですが、スンゲェ楽しかったです。

こう言うのも聴きに来なきゃね。


<リセット>

https://youtu.be/oTH0s0iRA0g

 

Sting、ベビーフェイスと続いてきた秋のライブもコレでひと段落。

(あいみょんも髭ダン外したんでw)

統一感がイマイチですが、どれも楽しかったから「ヨシ」。

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次は年明けあたりかな〜。

「おちゃらけ」が足りない:映画評「MIBインターナショナル」

思い返せば<ウィル・スミス>は欠かせないキャラやったなぁ、と。

 

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メン・イン・ブラック インターナショナル


「誰がスパイか」

も含めて、予想通りの展開。

…は、まあイイんですよ。

MIBって、ストーリーを評価するシリーズじゃないから。


でもキャラは重要。


クリム・ヘムズワース。

頑張ってたけどねぇ。

ちゃんと面白キャラをやれるのはご承知

…なんですが、本作に関してはウィル・スミスに及ばず。

「エンド・ゲーム」では驚きのボケキャラをやってのけてますから、これは「使う側」の力量不足ですな。


まあ退屈はしないので、時間潰しに見ることは止めませんが、MIBシリーズのリブートとしては物足りないこと甚だしい…って感じです。


あ、個人的にエマ・トンプソンの上司役は好きですけどねw。