鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

耳がイタイ…:読書録「キリンビール高知支店の奇跡」

キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!
著者:田村潤
出版:講談社+α新書(Kindle版)


評判になってるのを聞いて、キリンビールの事情に詳しい方に、「どうなんですかね?」って聞いてみたら、
「う〜ん」
と暫し唸った後、
「ちょっとパワハラ系のところはあったんですが、やってること・言ってることは『王道』でしたよ」
との回答。


読んでみると、確かにそんな感じですw。
極めて真っ当。
ただちょっとボタンを掛け違えると、変な方向に行っちゃうw。
僕自身はスゴく頷けるところが多かったですけどね。
ある意味、「大企業病」を突いてる話であり、「大企業の地方支店」の陥りやすい「罠」とそこからの「脱出方法」を論じた本と言っていいと思います。


一言で言えば、
「目的を達成するために、自分で考え、自分で工夫し、動く」
コレでしょう。
「ビジョン」や「目的」が浸透せず、本来目的を達成するための「手段」(施策)を行うことが「仕事」だと思っている。
「何をやるか」、指示されなければ動けない。
これが「病理」であり、「罠」です。
…耳がイタイ。


これに付随して、「結果のコミュニケーション」とか、「行動スタイルの変革」「質より量の営業」etc,etcなかなか刺激になります。
完全に合致するとは思えない部分もありますが(業態が違うんだから当たり前)、かなりの部分は頷けましたし、耳もスゴく痛かったですw。


役職が上がって、営業本部長くらいのエピソードになると、アサヒからの首位奪還の話は面白いものの、ちょっと「地に足がついた」感は薄くなりますかね。
題名の通り、「高知支店」時代のエピソードが最も具体的で、刺激的だと思います。
「逆境」(キリンがスーパードライでアサヒに首位を奪われるタイミング)だけに尚更、ね。


基本「営業」はコレ。(=目的達成のため、相手の状況を見て、自分で考え、行動する)
改めてそれを確認させてくれる一冊でした。