鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

主人公が真っ当すぎて…:映画評「われらが背きし者」

ル・カレ原作なんで、「裏切りのサーカス」っぽいもの期待したんですが…。

あそこまでの緊張感はなかったです。

 

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「われらが背きし者」


僕にとってはユアン・マクレガーが演じる主人公がチョット「?」でした。

まあ真っ当な紳士的正義感を持った人物なのは分かります。

分かるんですが、あそこまで付き合いますかね、フツー。

しかも奥さんまで巻き込んで…。


巻き込む側のロシアン・マフィアが僕にはあまり魅力的な人物に思えなかったってのもあるかな。

ベースは二人の友情物語でもあるんですから。


ル・カレにしては結構ストレートなストーリー展開。(序盤、チョット不穏な雰囲気があって、あそこは割と好き)

でもまあ、全体として悪くはないと思います。

悪くはないけど、僕はノリきれんかった、と言うとこかな?


原作もあんなんかな〜。

ま、読む気にはなりませんがw。

この道の先は…

ZOZOが非正規社員の時給を引き上げたと言う報道がありました。

応募殺到で募集停止になったとも。

 

<ZOZO、応募殺到でアルバイト募集停止へ>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44806020U9A510C1TJC000/

 

ここら辺、色々過去の動きもあって、当事者の記事も出てます。

 

<「月に行くなら労働者の賃上げを!」が成功して時給1300円にーこれまでの経緯を振り返るー>

https://lite.blogos.com/article/377000/

 

ZOZOの判断も、そこに働きかけてた人たちの努力も「良」と思います。

まだ課題もあるようですが、そこは引き続き誠実に話し合いながら進めていって貰えばと。

(「月に行くなら労働者の賃上げを!」って煽りは、個人的には好きじゃないですけど)

 

僕がこの経緯を読みながら想起したのはこちらの記事。

 

<「終身雇用守るの難しい」トヨタ社長が“限界”発言>

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20190513-00000040-ann-bus_all

 

まあ条件付きですから「すぐこうなる」と言う訳じゃないにせよ、言いたいのは、

「会社がその時必要とする人材を雇い、状況が変わり必要とされなくなった人材は解雇する」

って風になって欲しい…ってのが経営者側の要望ってことじゃないですかね。

これは経営者としてはある種「合理的考え」。

 

そしてその「合理的考え」を背景とすれば、

「アルバイト(非正規社員)の時給を上げて、必要な人材を確保する」

ってのは、「合理的」ですわね。(「応募殺到」ですから人選も有利にできるでしょう)

「アルバイト」なんだから必要なくなれば(事業が縮小するとか、ロボット化が進むとか)雇用を続けなくてもいい訳ですから。

 

トヨタ社長が言ってるのは、

「それを正社員にも…」

ってこと。

もちろんその場合は「給与」は上がるんでしょうが、雇用の長期的安定性とはトレードオフになる。

(この観点抜きで言ってるんなら論外)

そう言う「可能性」を考える必要性があるのでは…という問題提起じゃないかと、僕は記事を読みました。

 

どうなんでしょう?

日本の主要企業がイノベーションを発揮できず、雇用を確保することができないと言うのであれば、こう言う方向性もあり得ないとは言えません。(そうじゃないと会社が潰れちゃいます)

もっともそれは「成長経営できない」と経営者自ら言ってることでもあるんですが。

(個々の経営者ではそこら辺「自信」がある方もいらっしゃると思いますよ。

ただ「日本の企業全体」を考えると、こういう岐路にあるという…)

それに「労働者不足」の問題もありますからね。

そっちの圧力で時給自体は上がっていくと言う見方もあるでしょう。(それが正規社員増につながるのか、終身雇用が維持できるのか、という別の課題はあります)

 

この変化が本当にやってくるのか?

そのスピード感はどうなのか?

 

「長期的には、我々みんな死んでいる」(ケインズ)

 

でも「長期的」って感じじゃなくなってる感もあるんだよな〜。

 

 

 

 

 

 

トレースしたからと言って、上手く描けるわけじゃない。

Procreateでは写真のトレースが至極簡単に…。

 

「おお、ミュージシャンとか、ハリウッド俳優とかのポートレートを描き写そうとしてたこともあったなぁ」

 

と思って、チョイとやってみました。

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いやぁ、トレースしたからってソックリに描ける訳じゃないんだよねぇ。

「どの線を選択するか」

コレが難しいのよ…。

 

Apple StoreではProcreateのセッションもやってるよう。

行ってみようかしらん。

 

「母の日」の夕食は…

日曜は「母の日」。

その日の夕食は子供たちが用意しました。

 

去年は「サラダ」「野菜炒め」等、軽い副菜だけ作って、メインの<ピザ>はデリバリーだったりしたんですが…

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メインはハンバーグ!

これを娘が作って、息子が味噌汁と酢の物を用意しました。

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材料費は僕持ちですが…。

 

さて、来年はもっと凝った料理になるか。

「母の日」なんか、「関係ね〜」になるかw。

 

来月は「父の日」。

期待して…無理かなw。

 

 

 

「地方創生」はバラ色じゃない。

今朝、Facebook経由で流れてきた記事。

 

<「地方創生をやめてくれて良かった」!?>

https://todai-umeet.com/article/36553/

 

レトリックの部分もあると思いますが、なかなか厳しい。

厳しいけど、でも「そうだよな」とも思いました。

 

「地方創生」について僕が考えてることは、(列挙すると)こんな感じです。

 

①地方同士の<生存競争>なので、「勝ち負け」は必ずある。(負けたところは「消滅」の危機に瀕する。少なくとも公共サービスの維持は厳しくなる)


②政府や行政ができることは限られる。キーとなるのは「民間」で、ここが活性化しなければ意味がない。


③その意味では「民間が活性化するための環境・土壌整備」は政府・行政の仕事。一言で言えば「規制緩和」。


④「都市から地方への移住」はその「結果」として生じること。公共サービスの維持すら難しいような地方に移住しても意味がないし、リスクが増大するだけ(移住する側/される側双方に)


⑤大都市圏には大都市圏のリスクと危機がある。むしろ地方よりもその規模は大きいかもしれない。(格差、医療・介護サービスの危機、超高齢化・少子化、教育格差etc,etc)

…ここの断絶についてコメントしてるあたり(2ページ目)、興味深かったです。


記事の大筋には賛同しますが、個人的には「③」の部分は強調したい。

教授はそんなこと百も承知とは思いますが。


「ふるさと納税」をめぐる高額返礼品の問題なんかは、阿呆な話といえば話なんだけど、「①」のことを考えれば、必死さの裏返しかもしれない。

もっともじゃあその地域で民間は活性化してるのか?」ということを考えると、甚だ疑問ですがね。


「地方創生」。

ものすごく大事なテーマだと僕は今も思っています。

でも

「地方がみんな豊かになって行こう!」とか、

「大都会で摩耗せず、自然と人情のある地方へ!」

とか言うのとは、全く違うと思うんですよ。

「地方間/地方・都市間の生存競争」

有り体に言えば、コレ。


だから地方の政治家や行政にはもっと戦略的であって欲しい。

色々課題はあるし、先行きに不透明さや不安も感じますが、「大阪都構想」に僕が賛同するのは「だから」です。

その成功は、どこかの地方(あるいは都市)の衰退につながるのかもしれませんが。


(ミクロでの取り組みとして、こう言うのも面白いです。


<プロの投資家、いまあえて「人口減少の町」で古民家を買ったワケ(藤野英人)>

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64303


その地域で公共サービスの維持がどこまでできるのか、その助けとなりうるのか…ってのはありますが)

ドラゴの決着:映画評「クリード2 炎の宿敵」

アポロを殺したドラゴをロッキーが倒し、そのドラゴの息子が、ロッキーの後を継ぐクリードと戦う…

 

…という構図だけ聞くと、「因果は巡る」なんだけど、なんか同じパターンの続編って感じも…

 

だったんですが(結局無理をして公開を観なかったのも、ちょっとそんな気分も)。

…全然違った。

 

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「クリード2 炎の宿敵」


一度、心が折れたクリードが再び立ち上がり…

ってのは、まあロッキー・シリーズの流れから「当たり前」。

本作の見所は「ドラゴ親子」。

とくに父親であるイワン・ドラゴにあります。

ロッキーに敗れたイワン。

その息子であるヴィクターが父と抱えた怨念、そして母への想い。


それ故にこそ「あのテーマ」はクリードだけでなく…


ドラゴの「最後の決断」。

いや、泣けた。

まさか、そう来るとは…。


作品としてのシャープさは1作目には劣ると思います。

それでもこの「ドラゴ親子の物語」において、本作は1作目に続くシリーズ2作目の意義を果たしている。

「敗れた者の物語」ってのはロッキー・シリーズの根幹にあるモノですが、こういうアプローチはちょっとなかったですからね。


それにしても「ブリジット・ニールセン」。

もうちょい扱いを良くすることも出来たと思うんですが…。

まあ、それこそ昔、スタローンとも色々あったようですからねw。

その意趣返し?

いやいや、まさか…w。

 

PS ロッキーの息子との確執については、「まさかの傑作ロッキー ザ・ファイナル」で一応の方はついてたはずですが、「クリード」では何やら「なかったこと」にw。

そういう意味で、本作での「和解」は「デジャブ」ではありますが、まあ良しとしましょう。サラッとした演出が結構気に入ったしw。

小説が書けるようにはならんと思いますが:読書録「北村薫の創作表現講義」

・北村薫の創作表現講義  あなたを読む、わたしを書く

著者:北村薫

出版:新潮選書

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「中野のお父さんは謎を解くか」を読んで、

「やっぱ、上手いね。北村薫」

と改めて思い、Amazonを検索した特に目に付いた作品。

2008年の出版。

ある時期まで僕は「北村薫」の熱心な読者だったんですが、電子書籍に重点を置くようになった時期から、ちょっと距離をおくようになっちゃったんですよね。北村さんは電子書籍化しないんで。(宮部みゆきさんなんかも同様)

その頃に出版された作品で、だからスルーしちゃったのかな。


05年、06年に北村さんが早稲田大学で講義をしたものをまとめた作品です。

「創作表現」ということで、もちろん「小説を書く」ということがメインになるんですが、それだけじゃなくて、詩や短歌、朗読なんかも含めて論じつつ、「読む」ということにも「創作」を見出すような流れになっています。(副題のあたりがそんな感じですね)


まあ、相変わらずの博覧強記。

それが嫌味なく披露されているのに加え、編集者や歌人なんかをゲストに迎えてインタビューしたり、コラムを書かせてみたり…と、「講義」としての仕掛けを楽しむことも出来る作品です。

いや、ホント久しぶりに電車の駅を乗り過ごしそうになりましたw。(編集者のインタビューのあたりで)


「講義」そしてそれをベースにした「本書」。

それ自体が「北村薫」の<創作表現>になっているんです。(もちろん北村さんは意識的でしょう)


<この本の面白さがわかる人は小説が書けます>(帯の宮部みゆきさんの推薦文)


いや、それはないけどねw。