・水 本の小説
著者:北村薫
出版:新潮社
北村薫さんはものすごく好きな小説家なんですけど、あまり電子書籍はお好きじゃないようで、作品のほとんどがリアル本だけでの出版になっています。
なかなか本の整理が大変になってきて、できる限り本は持たないようにとここ数年はしているので、なんとなく北村薫さんの作品は買わなくなってしまっていました。
まぁ、ミステリーについては家族も読むので、引き続き買ってるんですけどね。
ミステリー以外の小説とかエッセイとかが対象外になってた感じです。
土曜日の新聞を見ていたら、広告欄にこの本の続編(?)になる「不思議な時計」の広告が載っていました。
副題が「本の小説」。
小説?
ちょっと気になって前作にある本書を購入しました。
泉鏡花賞を取ってるんですね。
全然知りませんでした。
内容としては最近北村薫さんの小説に多い日本の近代小説をめぐるあれやこれやの話をまとめた内容
「え?これって小説なの?エッセイなんじゃ…」
ここら辺、本書にも収められている徳田秋声に関する話題のところでの「私小説」に関する話につながるかな?
煎じ詰めれば、そんなジャンル分けにさほど意味がないともいえます。
なんだかんだ言ってこういう話好きなんですよね。
1日で読み上げてしまって、続編も購入してしまいました。
以前読んだ本では、
高校生以上の日本人で本を読むのは2人に1人。月に1冊か2冊で1日を読書時間は30分…というのが日本人の平均像だと言う記述がありました。
統計的にどこら辺まで正しいのか分かりませんが、感覚的には「まぁ、そうかもしれない」。
この比率はずいぶんと昔から変わらないらしいので、昔から「本を読む」と言う人種はマイノリティーだったんでしょうね。
僕もまぁ、そのマイノリティーの1人ではあるんでしょうけど、そのマイノリティーから見ても本書に出てくる北村薫さんや、その周りの人たちの本に関する知識や記憶力は驚くべきものがあります
そこのところが面白いっちゃ面白いんですけど、本を読まない人にとっては「なんかエリートくさいなぁ」って感じがしなくもないかも。
そんな人が読むわけねーかw。
僕個人で言えば、こういうのにほのかな憧れを感じたりはしますが、とてもじゃないが、そんな大量の本を抱えることはできません。
こういうのを読ませてもらって、ニヤニヤ笑うっていうのが、ちょうどいいのかもしれません。
…というわけで、続編も読ませていただきます。
しばらく積ん読になっちゃうかもしれませんけどw。