鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

振り返って考えてみると、あれってどういうことだっけ?ってのも多いんだけど、見てる間は楽しかったです。:ドラマ評「BODIES/ボディーズ」

イギリス制作のNetflixオリジナルドラマシリーズ。
イギリスっぽい重厚な作りで、渋い警察ドラマ風でスタートしながら、SFドラマになると言う、なかなか凝った作品です。

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1890年、1941年、2023年、2053年という4つの異なる時代を生きる4人の刑事が、ロングハーベスト通りで全裸の男性の遺体を発見するという同じ殺人事件の謎を解明するという内容。
2023年のロンドンでは、警察官のハサンが拳銃を持った少年を追跡中に、裸の遺体を発見する。この遺体は左目を撃たれ、腕に特徴的なマークがある。ハサンは、エライアス・マニックスという少年が事件に関与していると睨む。
一方、1890年では、エドモンド・ヒリングヘッド警部が同じ通りで同様の遺体を発見し、新聞記者のヘンリー・アッシュと協力して捜査を開始する。
1941年のチャーリー・ホワイトマン警部補は、裏の仕事をしていたが、ある事件をきっかけに状況が一変。そして2053年では、アイリス・メープルウッド刑事がロングハーベスト通りで男性が倒れているのを発見し、さらに深い陰謀に巻き込まれていく。

 

 

遺体を見つける刑事たちは、それぞれ問題を抱えています。
ヒーリングヘッドは、潜在的なゲイの嗜好に悩み、ユダヤ人であるホワイトマンは自分自身の存在意義に悩みつつ、破滅的な生活を送っており、イスラム系の女性であるハサンもまた社会における自己評価に揺らいでいます。
そしてメープルウッドは過去の悲劇から孤独な生活を送る日々です。
彼らはタイムトラベルによる大きな陰謀に巻き込まれるわけですが、その陰謀そのものが、1人の人間の「孤独」から発生していると言う点において、主人公たちと犯人の間にはある種の共通項があると言う構図になっています。

 

 

4つの時代のストーリーが並行して進んでいくので、ドラマの展開は早く、最後まで飽きずに見ることができます。
タイムパラドックスが絡みますから、話は結構複雑になってるんですけど、それを感じさせずに興味深く、最後まで見れると言うのは、なかななかなか手際の良い作り手だと思います。
まぁ、見終わった後に
「そういえばどうして犯人はこんなことをやるつもりになったんだっけ?」
なんて根源的な疑問が浮かび上がったりもするんですが、そこを突っ込んでも仕方がないって話ですかね。
そもそもタイムパラドックスものなんだからw。
これだけの時代にわたって、関係者の数も膨大になっていますから、どう修復としたって、タイムパラドックスは相当なことになっちゃってるでしょう。
ラストもいろいろ解釈の仕様があるとは思いますが、何か正解が出るようなものでもないような気がします。

 

 

個人的には1940年に活躍するホワイトウッド警部補がお気に入りです。
結構洒落もんですしねw。
斜に構えていながら、ある一線を超えると、自分から破滅への道を突っ走っていく姿が哀切です。

 

 

まあまあ評判の良い作品だと思いますし、SF的に細かいこと突っ込まなければ楽しめると思います。
続編はあるかなぁ。
ラストには含みがあるし、作ろうと思えば作れるとは思いますが、これだけの緊迫感を維持することは難しいと思います。
これはこれでいいんじゃないですかね。

 

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