鈴麻呂日記

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これからの人生で「ある」と想定した方が良い:読書録「首都直下地震と南海トラフ」

・首都直下地震と南海トラフ

著者:鎌田浩毅

出版:MdN新書

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業務でBCPの見直しみたいなことに着手してるので、その背景となる知識のアップデートとして一読。

作者は京大の教授で、その退官記念のつもりで本書を執筆(正確には東日本大震災後に海砂作品を大幅加筆修正)されたようです。

Clubhouseで成毛眞さんと対談してるのを聞いて購入してみました。

 


<知識>的なところで言うと、こんなまとめでしょうか。(正確なところは覚え違いもあるかもしれませんが、ザックリとは)

 


①東日本大震災以降、日本は自身の活動期に入っている。

②その余震的に内陸部での地震はいつ起きてもおかしくない状況。そのうち被害が大きいと想定されるのが首都直下地震。

③首都直下地震の規模は東日本大震災より小さいが、震源が浅いこと、人口・経済活動が集中していることから、被害規模は極めて大きくなると想定される。

④南海トラフを震源とする地震はプレートの沈み込みから発生が予測される地震。東海地震・東南海地震・南海地震が同時発生する「連動型地震」の可能性があり、東日本大震災級の巨大地震が西日本で発生すると予想されている。

⑤この発生時期は2035年を中点とした2030年〜2040年と言うのがシミュレーションや過去の経験則から導き出されたもの。

⑥富士山の噴火に関しては、「起きてもおかしくない」災害であり、その災害規模も大きい。ただし予兆は事前に察知することが可能。

 


明日起きてもおかしくない「首都直下地震」

過去の記録やシミュレーションから10年〜20年以内には起こるだろう「南海トラフ地震(西日本大震災)」

 


僕があと何年生きるかは分かりませんが、死ぬまでの間にこのどれか(あるいは複数の可能性も)にぶち当たる可能性はかなり高そうです。

ちゃんとBCP、練っとかんとね。

 


作者は「あるのは確かなんで、それに備えておくことと、<ある>ことを前提とした人生観や生活スタイルを身につけておく方がいい」旨のお話をされています。(室井滋さんとの対談パートで特に強く出てきます。室井さんが「そっち寄り」な考えをお持ち、ってのもあるかもしれませんが)

「ストックからフローへ」とか、「体の声を聞く」とか。

個人的には「まあ、確かにな」と思いつつも、「清貧思想」的な考えにはあまり賛同できなかったりもするんですが(そこを追求すると、「備える」こと自体ができなくなってしまう)、個人としてのスタイルとしてはそうだろうなとも思います。

「分散」は、絶対必要なのは確かですしね。

 


「アトランティス大陸」の話なんかもあって、後半は<知識>だけじゃなくて、この手の話がお好きな人には興味深い内容w。

BCPを考える上においては一読はしておいた方がいい作品でしょうね。

起きちゃったら、それどころじゃなくなっちゃうのも確かですけど。

 


#読書感想文

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