・FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
著者:ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド 訳:上杉周作、関美和
出版:日経BP社
<「名作中の名作。
世界を正しく見るために欠かせない一冊だ」
ビル・ゲイツ大絶賛、大卒の希望者全員にプレゼントまでした名著>
ってのが帯の煽りですが、
いや、まあ確かに。
これは「読むべき本」だし、政治家やジャーナリスト、社会活動家等には「読ませたほうが良い本」ですわ。
マジで感銘を受けました。
基本的な内容は、この「Q」をやればいいですかね。
<「ファクトフルネス」チンパンジークイズ>
https://factquiz.chibicode.com
三択だからチンパンジーでも33%の正答率があるがず。
で、僕は25%。
まあ、「頭が悪いから」ってのもあるかもしれませんがw、世界中の知識人がやってもチンパンジーには遠く及ばない成績になるとのこと。
(ちなみに「日本版」はこっち。
<『ファクトフルネス』風?日本の事実が学べるニホンザルクイズ>
https://factquiz-jp.chibicode.com
前のをやってましたので、こっちはチンパンジーには勝てましたw(それでも50%))
一言で言えば、
「世界は良くなってきている」。
もう少し付け加えるなら、
「色々な活動や運動、政策への取り組みの結果、世界は確実に良くなってきている」
慈善活動家としてのビル・ゲイツが心強く思うのは間違いないですね。
で、もう一言付け加えるなら、
「でも、もっともっと良くならなきゃ行けない。FACTを踏まえて、着実に取り組みを続けていこう」
「先進国/途上国」
という区分訳をやめ、
「レベル4/レベル3/レベル2/レベル1」
という段階に合わせて世界を見る(ドルストリート)というのが本書のベースにはあります。
極度の貧困状況にある「レベル1」の人口は大きく減っており、多くの地域が「2」「3」へ移っている。
素晴らしい!
でもそれぞれのレベルの状況を写真にしたものを見ると、
「レベル2どころか、レベル3だって、決して<十分>とは言えないだろう」
と思わざるを得ません。
まだまだ世界に「レベル1」に囚われている地域があるのは確か。
その地域をどう引き上げていくかの取り組みは、引き続き重要です。
だけど同時に世界の大半を占めるようになってきている「レベル2」「レベル3」の地域の発展をどう考えるのか?
換言すれば、「レベル4」(当然、日本も入ります)の地域は、当然のようにその「贅沢」を享受し続けることができるのか?
今、問われているのはここであり、そこにこそ「世界」の課題は移ってきているのだ…というのが本書を読んでいると分かってきます。
「自分は楽観主義者でも悲観主義者でもなく、可能性主義者だ」
作者はそう言います。
人々の「世界を良くしよう」という努力は着実に成果を出している。
そして世界はまだまだ「良くなる」ことができるし、良くならなければならない。
そのために何をすべきか?
<FACTFULNESS>はその土台となる考え方なんだと思います。
一読をお勧めします。