・たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ
著者:橋本治
出版:集英社新書(Kindle版)
逝去の報を聞いて、
「何か読みたいな」
と思ったんですよね。
「桃尻娘」もいいかなとも思ったんですが、まあ古すぎるだろう…と17年2月出版のコレに。
作者初の「喋った本」とか。
もしかしたら、最後にもなるのかな。
Brexitやトランプ誕生を踏まえ、期せずして「平成」の総括をするような本になってます。
それがご自身の「総括」にもなる…ってトコに「橋本治」という人の運の様なものも感じたりして。
もっとも多分著作としては「草薙の剣」がそこを担ってるんでしょうがね。
読み終えて感じるのは、
「まあ、それにしても色んなこと、よう知っとるなぁ」。
と、同時に、「この本は結構わかりやすい」。
橋本治さんの論って、チョット「どこ行っちゃうの?」ってトコもあるのでw。
ここは50代の編集者+バブルを知らない30代を「聞き手」に選んだことがプラスに働いてるかな。
終盤の彼らの切り返しは拍手ものですw。
僕自身は「経済」の見通しに関しては、橋本治さんの見立てはチョット雑じゃないかなぁと感じてるんですが(人口減少によるインフラ維持の限界とかを考慮すると、成長しないということのリスクはもっと考えるべきと思います)、大きな流れを見返すには良い本なんじゃないか、と。
個人的には、
<心のない論理>(政治家や官僚の理屈のための理屈)
<心のある論理>(人間や社会の実情を踏まえた論。橋本治w)
<心の論理>(情を最優先とする。相田みつをw)
辺りのことを、つらつらと考えたりしています。
自分は結構<心ない>かもな~、とか…。
まあまだ若いですよね、やっぱり。
平成後も見て、なんか毒を吐いて欲しかったなw。
ご冥福をお祈りいたします。