・the four GAFA 四騎士が創り変えた世界
著者:スコット・ギャロウェイ 訳:渡会圭子
出版:東洋経済新報社(Kindle版)
「GAFA」が「Google、Apple、Facebook、Amazon」なのは、もう割りと一般的かな?
まあ、このネットビジネスの四大巨人について論じ、そのリスクをあからさまにしつつ、その後続や、彼らが牛耳る世界での生き方について論じた作品…ってとこでしょうかね。
作者自身、投資家や起業家の側面を持っていて、その経験から色々論じてるってのはあるんですが、正直言ってそこまで目新しい指摘はなかったかなぁ。
ジョブズが「クソ野郎」だったことは、アップル信者ほど知ってるんじゃない?w
作者の経歴としてはニューヨークタイムズの経営陣に入ってたことが結構大きくて、その頃、メディア地図を大きく変えつつあったFacebookやGoogleに対抗しようとし、なし得なかった事が、かなり悔しかったんだろうな~と。
Googleの章なんか、Googleどうのこうのよりも、ニューヨークタイムズのネット戦略を巡ってオーナーと一悶着あった事(結果、敗退)の方にウエイトが割かれてましたw。(面白かったけど)
「四騎士」はヨハネ黙示録から取られていて、
<地上の4分の1を支配し、
剣、飢餓、悪疫、獣によって、
「地上の人間を殺す権威」を与えられている。>
って事らしいですから、作者のGAFAへの見方が相当にネガティブなのは明らか。(一言、留保は描かれてますけど)
そこんとこ、もしかしたら過去の「恨み節」もあるんじゃないか、とw。
ここら辺、客観性という意味では成毛さんの「amazon」の方が良いと思いますよ。
http://aso4045.hatenablog.com/entry/2018/08/20/220515
僕自身は「色々便利になってるんだから、ええやん」という立場ですし、個人情報もセンシティブ以外は問題視しすぎ、と思ってます。
でも牽制は必要ですからね。
そういう観点で、こう言う本は読まれることは重要だと考えています。
とは言え、GAFAが安泰かと言えば、それもないでしょう。
僕が思うに、一番のリスクは創業者「後」。
ある意味、Appleはこの第1ハードルを超えてますが(「一兆ドル企業」一番乗りもAppleでした)、コレはジョブズの急死と言う想定外イベントがあったからですからね。(その代わり、神格化と言うハードルが出来ちゃってるw)
それ以外はまだこのリスクに対処してないし、Uberを見ると、そう簡単な話じゃない。
だから10年後どうなってるかは分からんと言うのが僕の意見です(作者も同様ですが)。
もう老境一歩手前なんで、「安泰」で行ってくれた方が面倒なくてイイんですけどねw。