鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

再読?:読書録「蓬莱」

・蓬莱
著者:今野敏
出版:講談社文庫

蓬莱 新装版 (講談社文庫)

蓬莱 新装版 (講談社文庫)


書店で見かけたとき、「安積警部補が登場してる作品だから、読んでるだろう」というのが最初の感覚。「新装版」ですしね。
で、裏表紙の「あらすじ」を読んでみたら、「?」。
忘れちゃったのか、それとも読み落としてるのか…。


…読み進めて、ラスト近くになって思い出しました。
「あ、読んでるわ、コレ」。
ま、面白かったからいいんですけどねw。


忘れてたのは、多分「安積警部補」シリーズの流れで読んだんじゃないから。
僕がシリーズを読み始めたのはハルキ文庫に再録されてからですが、その前に本作は読んだんだと思います。
大沢在昌の推薦文があるんですが、何となくその記憶があります。
ジャンル的には全然ハードボイルドじゃないですが。


しかしまあ、「時代」も感じさせます。
オンラインゲームが主流の今じゃ、
「PC版をスーパーファミコン版に移植した作品の販売を止めるために、圧力をかける」
って設定が成立しません。
ポチッとボタン押しちゃたら終わりだもんw。(そんな単純なもんじゃ、実際はないでしょうが)
フロッピーディスクやら何やら、PC周りの状況が全然変わっているのも、「時代だなぁ」と。


それでいて(再読にもかかわらず)楽しめたのは、ストーリーの骨格がしっかりしてるから。
大風呂敷の「徐福」伝説や政治陰謀が展開する一方で、地道で現実的な警察ドラマが並行して進む。
その兼ね合いが絶妙なんですよね。
まだブレイクする前の今野敏が、かなり「力」を入れた作品(そこらへんの事情は解説に書かれています)なのが分かります。20年以上前の作品…とは思えないです。
…忘れちゃってたけどw。


最近「STシリーズ」にハマってた息子に本作は渡す予定。
さて、安積シリーズを読みたくなるかな?