- 作者: 今野敏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/08/11
- メディア: 文庫
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書店で見かけたとき、「安積警部補が登場してる作品だから、読んでるだろう」というのが最初の感覚。「新装版」ですしね。
で、裏表紙の「あらすじ」を読んでみたら、「?」。
忘れちゃったのか、それとも読み落としてるのか…。
…読み進めて、ラスト近くになって思い出しました。
「あ、読んでるわ、コレ」。
ま、面白かったからいいんですけどねw。
忘れてたのは、多分「安積警部補」シリーズの流れで読んだんじゃないから。
僕がシリーズを読み始めたのはハルキ文庫に再録されてからですが、その前に本作は読んだんだと思います。
大沢在昌の推薦文があるんですが、何となくその記憶があります。
ジャンル的には全然ハードボイルドじゃないですが。
しかしまあ、「時代」も感じさせます。
オンラインゲームが主流の今じゃ、
「PC版をスーパーファミコン版に移植した作品の販売を止めるために、圧力をかける」
って設定が成立しません。
ポチッとボタン押しちゃたら終わりだもんw。(そんな単純なもんじゃ、実際はないでしょうが)
フロッピーディスクやら何やら、PC周りの状況が全然変わっているのも、「時代だなぁ」と。
それでいて(再読にもかかわらず)楽しめたのは、ストーリーの骨格がしっかりしてるから。
大風呂敷の「徐福」伝説や政治陰謀が展開する一方で、地道で現実的な警察ドラマが並行して進む。
その兼ね合いが絶妙なんですよね。
まだブレイクする前の今野敏が、かなり「力」を入れた作品(そこらへんの事情は解説に書かれています)なのが分かります。20年以上前の作品…とは思えないです。
…忘れちゃってたけどw。
最近「STシリーズ」にハマってた息子に本作は渡す予定。
さて、安積シリーズを読みたくなるかな?