鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「男たちのワンスアゲイン」物語:読書録「犯人に告ぐ」

・犯人に告ぐ<上・下>
著者:雫井脩介
出版:双葉文庫

犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)

犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)

犯人に告ぐ 下 (双葉文庫)

犯人に告ぐ 下 (双葉文庫)


ライムスター宇多丸氏が、
「一度手痛い挫折をした『男』が、新たなチャレンジをするなかで『再起』する」物語(まあ、大半は映画だけど)のことを、
「男たちのワンス・アゲイン」
と名付けてたけど、本書もまさにそういう話。
6年前の幼児誘拐殺人事件で大失敗をした刑事が、連続子供誘拐殺人事件の捜査を指揮することになり・・・
というのがメインストーリーです。


映画にもなってるけど、
「犯人よ、今夜は震えて眠れ」
って、外連味たっぷりのセリフにはグッとくるものがあります。ここら辺は「映像的」ですね。
でもそれ以上に、事件の捜査の中から過去の自分に直面し、行きつくところが読みどころであり、最終章の余韻がなんとも言えません。


最近、続編が発表されたようです。
正直言ってこれだけ完成度が高いのに「続編?」って感じはあるんですが、どうなんでしょう?
文庫になったら読んでもいいかなぁ・・・。