・カルニヴィア2 誘拐
・カルニヴィア3 密謀
著者:ジョナサン・ボルト 訳:奥村章子
出版:早川書房(Kindle版)
- 作者: ジョナサンホルト,Jonathan Holt,奥村章子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/09/10
- メディア: 単行本
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- 作者: ジョナサンホルト,Jonathan Holt,奥村章子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2015/09/08
- メディア: 新書
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第一部の「禁忌」がハヤカワミステリ60周年記念かなんかで発売された時に読んで、
「なかなか面白い」
と思ったんですがね。
第二作が発売されたのも知ってたんですが、何となく手を出しかねているうちに、三部作の最終作も出てしまい、今回まとめて読ませていただきました。
やっぱり「なかなか面白い」w。
第一部では何となく「添え物」感もあった「カルニヴィア」(精緻な「セカンドライフ」みたいなもんかな?)もしっかりストーリーの中に組み込まれてきてて、「密謀」のラストなんかはその有機的結合にリアリティももたらすことができてると思います。
「こういうの欲しいけど、まだ実現にはハードルあるよな」
とも思いますが。(それとももう、どっかでは「現実」になってる?)
本シリーズのベースにはイタリア現代史におけるアメリカ諜報組織の「暗躍」という「史実」があります。
Amazonのレヴューなんかを読むと、「その説明に終始してて、面白さに欠けた」みたいなコメントもありますが、僕自身はストーリー展開の中に「史実」が投げ込まれてくるところにドライブ感を感じたんですけどね。
ここら辺は「趣味の差」でしょうか。決して「史実」の紹介に終始してるような構成じゃないと思うんですけどね。
三部作だからこれで完結。
ま、確かにそういうオチにもなっています。
ちょっと寂しなとも感じますが、それくらいのところで〆るのが「正解」なんでしょう。
「史実」「現実」の重さに気付かされながらも、しっかりエンタメしてくれる、良シリーズだと思います。
(なんだかこういうのって日本を舞台にしてもできそうな気がするなぁ...とも思いました。もうあるのかな?)